図書館日記 1999年4月〜1999年12月 目次 Top [local 目次 Top] |
991229 【報告】1999年10月以降に参加した講演会など 目次 Top [local 目次 Top] |
◆1999.10.26 大図研神奈川支部10月公開例会「21世紀の学術情報の変化とハイブリッド図書館」
ネットな時代だからこそ、直接話を聞いて、質疑をすることの効果を実感できました。
講演いただいた長塚さん((株)KMKデジテックス)の最近の論文もあります。
この会の補足資料として有用です。
電子ジャーナルの行方と医学図書館. 医学図書館. 1999;46(4):366-372.
◆1999.11.12 エルゼビア出版社サイエンスダイレクト第3回ユーザーミーティング
Elsevier Science and STM libraries in Japan.
Derk Haank, Elsevier Science B.V. [20年ぶりに社長で戻った]
現在70万件、3年後には3倍に。
他の論文、二次資料、参考文献にリンクを張る。1999.10合意。
年額1,200万ドルの投資。
ScienceDirect スーパーユーザートレーニング報告. 松山裕二(ゼファー(株))
12機関のアクセス回数119,582件。4機関で85%。Max:46,766, Min:873。
全文へのアクセス経路、検索から612回、Journalから708回。後者が予想以上。
ScienceDirect update & strategic vision for delivering Scientific
information.
Pat Sabosik, ScienceDirect [2年前からElsevier、その前はAOL(NY)]
藤沢における電子ジャーナルの運用について. 若杉茂(藤沢薬品(株))
ScienceDirectとACSの利用回数は、月に2,000から4,000件。
Dijital libraries, today, tommorow and biyond. Roland Dietz, Elsevier
Science Inc.
本日のまとめ. 深田良治(エルゼビアサイエンス(株))
◆1999.11.20 電子資料の組織化:日本目録規則(NCR)1987年版改訂版第9章の改訂とメタデータ[会の後のレセプションでは、価格高騰についてHaank社長と通訳を介して話をしました。高騰の理由については通り一遍の答えでしたが、円高が進行すれば値下げも「あり得る」との回答を得ることができました。また、円建て価格への変更については、為替をヘッジして儲けることが自分たちの仕事ではないなど、こちらの質問にはていねいに答えてもらいました。図書館員ではとうてい太刀打ちできない(利益を優先する)ビジネスマンであるとともに誠実な人柄であるとの印象も受けました。トップとユーザーが率直に話し合える機会として、とても充実した一日でした。]
◆1999.12.10 横浜国大図書館見学
実稼働しているネットワークコンピュータをはじめてみました。感激しました。
◆1999.12.17 MCB出版社日本支社(千葉県流山市)訪問とインタビュー
◆1999.12.21 SOREPS 「海外市場を考える」仲野英明氏(日本出版貿易(株)和書二部次長)
The Study of Reprint Books Produse and Sellers第14回研究会 於:東京堂書店
SOREPSは高額資料である復刻版の製作と販売に関わる出版人の研究会
日本出版貿易は、日本の学術専門図書を輸出してLCにも供給している。
日常は、輸入だけをみているので、輸出という視点は新鮮でした。
LCや北米の日本語出版物の選書に関連して、米国の予算執行につても話を聞けました。
991114-2 【報告】図書館問題研究会(図問研)に入会 目次 Top [local 目次 Top] |
専門図書館員やサーチャーで構成される(財)情報科学技術協会(INFOSTA)への入会も考えたが、専門図書館やサーチャーの人たちは、色々な研究会で同席することが多いので、そちら方面の情報収集には当面は困らない。しかし、公共図書館員とは同席することが少なく、話をする機会が限られるので、今回、図問研に入会することとした。
ホームページやメーリングリストでも状況の大まかな把握はできるが、やはり直接に話すことが重要になる。
図書館問題研究会ホームページ 図書館問題研究会神奈川支部
991114-1 【報告】1999.10.13〜15第1回図書館総合展、10.20〜22DATABASE'99 TOKYO 目次 Top [local 目次 Top] |
「県、PFIを積極導入へ 福祉大など3施設で検討=神奈川」 読売新聞
1999.9.28 東京朝刊 31頁
[神奈川]県立保健・医療・福祉系高等教育機関 整備基本構想
平成10年3月
県立保健・医療・福祉系大学整備計画 平成11年3月
●1999.10.20〜22DATABASE'99 TOKYO (東京国際フォーラム) 入場者3万人
概ね例年通りだが、地図情報のブースが多かったことが印象的。
991114 【報告】1999.8.7〜9 大図研第30回全国大会(東京)に参加 目次 Top [local 目次 Top] |
学内刊行の紀要を電子化してOPACともリンクを張っている事例を紹介。整備されていないのは法ではなく手続き、著作権者との連絡が大変、など。著作権者に提出してもらう「電子図書館システム登録申請書」の様式が筑波大学図書館のホームページから参照できる。
●国立大学と独立行政法人制度. ジュリスト. No.1156, p.109-122 (199.6.1) など、エージェント化関連の資料を収集。
●「出版産業への提言」(出版労連・出版産業対策部)をもとにした出版関係者と図書館関係者の意見交換会
出版業界の技術革新、再販問題と流通の課題、図書館の現状と課題、洋書業界の現状と課題、などについて両者の協力について模索。
●林望先生の講演
貴重書の電子化が進行しているが、貴重書は研究者は実物を見なければならないし、和紙は使っている方がよい、図書館の原理を図書館人が考えないでいるなど、貴重書の電子化についての疑問を表明。
●エルゼビアサイエンスの雑誌サブスクリプション エルゼビア社の深田さん
エルゼビアの歴史、ジャーナルの成長、値上がり、電子ジャーナルについて、体系的に説明。ロスアラモス研究所の図書館では、電子化でコストが半分になったことをPRして、図書館サービスに対する発言力を増し、図書館への予算配分を増やすことに成功した事例を紹介。今度、少人数で、学術雑誌についてのレクチャーを受けに行くことを企画したい。
991113 【報告】宮城県図書館と[県立]宮城大学 目次 Top [local 目次 Top] |
宮城県図書館の特徴は、その斬新な建物よりも、住民への貸出などを行う直接サービスを、市町村図書館と同じレベルで行っている点です。児童図書館、AVコーナーも充実しています。県立図書館の今後の方向性を提起しています。
もう一つはその立地です。宮城県図書館は仙台市を含めた3市町村の境界に位置して、広域の利用をカバーしています。また、[県立]宮城大学とも10分の距離にあり、設置母体が同じなだけに、公共図書館と大学図書館の協力も円滑に行なわれる可能性があります。今回の研修のインターネット実習も大学の施設を使って行われました。
[県立]宮城大学は、最近の県立大学新設の流れのなかで1997年に開校しました。学長が前多摩大学学長だった野田一夫さんです。学生一人に一台のパソコンや学内ベンチャーの奨励など、多摩大学よりもさらに挑戦的な大学のようで、学生数の減少などどこ吹く風といった感じです。大学の施設は全て24時間開放され、図書館も深夜まで開館しているそうです。こんな大学も存在しているのだと、驚きました。こういった試みは新設大学であるからこそ可能なのでしょうか。
図書館は装置産業で、教育はサービス産業である。図書館は、理念に沿って、ユーザーを指向した商品開発を実現できているので、施設の拡充と資料の蓄積量の多さが今後の課題である。大学は、設備投資は充実しているので設備よりも、建学の精神と授業の調和などのソフト面の整備が重要である。2つの施設の見学からこんな感想をもちました。
1.宮城県図書館
1-1.建物の概要
開館:98年3月21日 延床面積:17,550平米
設計:原広司+アトリエ・ファイ建築研究所
〒981-3205 仙台市泉区紫山1-1-1 Tel:022-377-8441
谷と尾根の地形を残し、そこに架かる橋をイメージ。全長200mに敷き詰められた大理石の遊歩道に沿って書架を直列的に展開。駐車場の上部には書庫増築が可能。(平形建一)
【図書館雑誌 92(9) p.759 (1998.9)】より
1-2.図書館の概要
本は1人5冊まで,ビデオ・CDは1人1点,15日間
開館時,約70万冊,将来的には150万冊
1F:音と映像のフロア、朗読サービス室、地形広場ことばのうみ(野外の多目的広場)
2F:こども図書室、児童資料研究・相談室、展示室(常設展「本と人の文化史展」と、企画展)、生涯学習室・地域情報発信室、ホール(250席)、ミニシアター(94席)
3F:新聞・雑誌・行政資料室、一般図書・参考図書・外国語図書室、調査・相談コーナー、みやぎ資料室(行政資料、「伊達文庫」、「青柳文庫」)
【以上、宮城県図書館のご案内 <http://www.pref.miyagi.jp/syougaku/Library.htm>より】
1-3.参考資料
西川馨((有)図書館コンサルタント代表). 宮城県図書館建築批判. 図書館雑誌.
93(3)p.217-219(1999.3)
設計者に対する批判がいくつか指摘されている。開架室では本の背を照らす照度が足りないため、本が探しにくい。横長の建物で、書庫資料の出納の移動距離が長く、図書館員の苦労が多くなる。ガラス壁面のため、紫外線による書庫資料の劣化が問題である。副次的なスペースへの配分が多すぎる。
萱場健之(宮城県図書館). 新図書館開館1年が過ぎて:あらためて「宮城県図書館建築批判」を読んで.
図書館雑誌. 93(8)p.650-652(1999.8)
西川氏の指摘に対する訂正と反論を行っている。
『GA JAPAN 32』(1998) 宮城県図書館 原広司
『新建築 1998年5月号』 宮城県図書館 原広司+アトリエ・ファイ建築研究所
「みんなの建築」建築いいたい放題
<http://minken.arch.t.u-tokyo.ac.jp/arch/post4/>発言番号0517(1997.11.27)から発言番号0716(1998.8.2)
◆原氏の講演の感想として「空間をデザインすることを自分の考えを表現する一つの手段としか考えていないで、実際に利用する人々についてはどのように考えるのか」。それへの応答として「・・・「哲学者」原広司が前面に出ていますから、それだけでは、利用者のことを考えていないとか、難解で意味不明だとか、そういう印象になってしまうのも仕方ない」。
◆「歩いて5分位の所にこうゆう場があるというのはいいもんです」という宮城大学の学生の書込は、3Fの開架スペースを「「飛行機」に乗っているときみたいな気分」に例え、1Fを「ういているようで、そうでない」と表現しています。さらに、現実的な感想として、「それにしても、「長い」ので図書館を利用する人はまだしも図書館を管理・運営する人はけっこう苦労するのではないのでしょうかね」「浮いているような階段の手すりが低かったりして、子供には危ないようなところや、ガラスにあやまって衝突してしまいそうなところもあります(印をつけてもあやうい)」とも書き込んでいます。
◆「原ファンとしては、東大を離れてからのこれからの原さんの変化に期待したい気分」という人は、「書架が規則正しく大量にだっーと並んでいる風景はひと工夫欲しかったなあと思います。それこそ、原さんが得意の民家が不規則にならんでいるようなデザインにすると「空間の様相」が変わったように思います」と書いています。
◆原氏は、スカイビル(大阪)、京都駅、ニラム邸(?)、ヤマトインターナショナル(?)の設計もされているようです。
2.宮城大学 <http://www.myu.ac.jp/myuweb/index_j.htm>
2-1.学部構成
看護学科90名 :
21世紀は“ケアの時代”と呼ばれています。看護としてのケアは、あらゆる時代を通して人々の生命を守り、健康でよく生きることを支援する活動として発展してきました。近年、医学や医療技術が高度になればなるほど、人々はケアを求め、生命の質を問うようになってきています。質の高い看護職への要請は、いまや社会的ニーズであると言ってよいでしょう。したがって看護学科では、高度な医療に対応できる看護専門職の育成はもとより、地域医療の観点から、人々の保健・看護上の多様なニーズに的確に対応することができるケアの専門職の育成と、研究の在り方を確立しようとしています。このため、カリキュラムも多彩な内容になっています。元来、人間の生と死に向かい合う看護学には、科学的な側面だけではなく、援助の学として、学んだ知識や技術を具体的に行為に移すという実践学の立場が強調されてきています。本看護学科が実験・実習・グループ討議等を積極的に取り入れた授業を行い、他者の考え方や価値観を知るための学習に力を入れるのも、そういった理由からです。みなさんには知力と同時に意志力、他者の喜びを自らの喜びとする開かれた人間性の獲得に向けて、大いに研鑽を積んでもらいたいと考えます。また、21世紀の看護に必要なマネジメント能力や情報処理能力を修得することも、大きな特色となっています。
事業構想学部事業計画学科100名:
---- プロジェクトを企画・開発・推進できる実践的な人材を育成
事業構想学部は、各種事業の企画・開発に関する知識や技術を体系的に学ぶことを目指し、新しい時代における各種のプロジェクトを総合的にプロデュースできる人材を育成する日本初の学部です。事業計画学科は、リゾート、商業施設、学校、シアターまで、事業の成り立ちから、成長のポイント、新規参入などのテーマについて考えていきます。資金の調達、固定資産の取得や償却、店舗デザイン、運営のための情報システムの構築、海外情報にアクセスする英語やコンピュータの利用技術など、事業を行う上で必要な知識や技術を総合的な視野から学びます。
事業構想学部デザイン情報学科100名:
---- 建築学と情報工学と経営学の融合・再構築
ホテルやレストラン、テーマパーク、商業施設など、一般の人々が利用する様々な施設のデザイン、計画や運営のための情報システム、特に画像処理を中心とした技術を学び研究します。本来、事業とデザインや情報は密接に関係するものですが、従来の専門家の多くは各専門分野において力を発揮しても、繁栄する店づくりや運営の合理化に必要な情報システムの構築は不得手という場合がありました。こうしたことから、本学科では創造力とコンピュータ利用技術を合体させて施設を考えるほか、採算や運営までもトータルに考えることができる人材の育成を目指します。
2-2.参考文献
インタビュ- 多摩大学名誉学長野田一夫 日本にない公立大学像作りを目指す宮城大学.
財界. 45(3) p69〜71 (1997.1.28)
野田一夫;神野直彦. 闘論 野田一夫vs.神野直彦――大学は企業化への道をたどっていくのか(特集 消える大学、残る大学). エコノミスト. 77(37) p72〜75 (1999.8.31)
野田一夫(宮城大学学長). インタビュー・学生起業家に必要なのは、小成に甘んじないこと(特集・学生起業家列伝―彼らを育てる懐の深さが必要だ). 経済界. 34(17) p163 (1999.9.14)
その名も「事業構想学部」に学ぶ学生たちの実学サークル(特集・学生起業家列伝―彼らを育てる懐の深さが必要だ). 経済界. 34(17) p162 (1999.9.14)
大谷毅. 学園のアメニティ――宮城大学(学園のアメニティ). IDE(民主教育協会). No.399, p41〜46 (1998.7)
THE NEW CAMPUS 宮城大学. カレッジマネジメント(リクル-ト). 17(4) p74〜77
(1999.8)
991008 【報告】Yahoo! Japanで「cool!」のメガネマークが付きました 目次 Top [local 目次 Top] |
「ホーム:各種資料と情報源:図書館: 図書館員」 <http://www.yahoo.co.jp/Reference/Libraries/Librarians/>
991006 【研究会】1999.10.26「21世紀の学術情報の変化とハイブリッド図書館」 目次 Top [local 目次 Top] |
7月に引き続き、今度は、次のような会を企画しました。
資料と懇親会の準備がありますので、参加希望者はあらかじめ、
7月の報告は以下にあります。
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大学図書館問題研究会神奈川支部10月公開例会
日 時:1999年10月26日(火) 18:30-21:30 会 場:18:30〜19:30 懇親会 鶴見大学図書館3階会議室
会 費:500円 地 図:http://www.geocities.co.jp/Berkeley/4108/tsurumi.gif
テーマ:「21世紀の学術情報の変化とハイブリッド図書館」
内 容:長塚さんは、電子ジャーナル、データベースなどの電子的な情報メディアに関して、様々な雑誌や研究会で発表をされています。今回の会では、長塚さんが実際に見て、経験された事例を具体的にお話しいただき、フロアと適宜に双方向のやりとりをしながら進めたいと思います。20名程度の会を開催できればと考えています
文献リスト:(株)KMKデジテックス<http://www.digitex.co.jp/>及び
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990923 【News】紀要と学術情報の流通について 目次 Top [local 目次 Top] |
990921 【報告】[1999.08.25]科学技術振興事業団(JST)情報編成システム見学記 目次 Top [local 目次 Top] |
最近、「情報管理」に2つの論文が掲載され、どうしてもJSTの見学に行きたいと考えるようになった。
SICIとDOIについては追跡調査中であり、SICIの国内での初めての応用例については、是非とも実物を見ておく必要がある。DOIについても、データベースサービスや文献複写のへの応用をどのように考えているのかも聞いてみたかった。
長谷川. 逐次刊行物の識別コード--biblidとSISACコード--.
情報の科学と技術. 42(5)1992
http://www2d.biglobe.ne.jp/~st886ngw/hasegawa/cd-ver2.htm _
長谷川. DOI(デジタルオブジェクト識別子)システムの概要.
情報の科学と技術(1999年1月号)
http://www2d.biglobe.ne.jp/~st886ngw/hasegawa/doi_infosta.htm _
何とか機会を探っていた折りに、「現代の図書館」の編集会議にオブザーバーとして参加させてもらった席で、「現代の図書館」編集委員であるJSTの曽根課長と知り合うことができた。早速、無理なお願いをして、1999年8月25日に、科学技術振興事業団情報事業部資料管理課を見学させていただいた。
102-0081 千代田区四番町5-3 TEL:03-5214-8407
地図:http://www.jst.go.jp/Intro/ichigaya.html
■□□JSTとJICST
科学技術振興事業団(JST)は、1996年10月1日、日本科学技術情報センター(JICST)と新技術事業団が統合して特殊法人としてスタートした。 JICSTは、 1957年8月に設立され、科学技術情報の流通の業務を実施してきた。新技術事業団は、1961年7月に設立され、基礎的研究、新技術開発、研究交流促進などの業務を実施してきた。現在のJSTの業務は、以下の5項目であり、事業規模は800億円である。
1)科学技術情報の流通
2)基礎的研究
3)技術移転
4)研究交流
4-1)科学技術の人材交流
4-2)地域における研究交流
5)研究支援
6)科学技術理解増進
【以上、「科学技術振興事業団[パンフレット](1999.1.15)」より】
旧JICSTは、JSTの科学技術情報事業本部(JICST)として、上記JST業務の「1)科学技術情報の流通」の部分を主に担っている。業務内容は以下の7項目である。(JICSTのJOISという呼称は今も健在である)
1)JOISなどのデータベースサービス
2)インターネットによるサービス
3)定期出版物の刊行
4)複写、翻訳などの受託サービス
5)閲覧サービス
6)研究集会、研修会
7)単行本の刊行
【以上、「JICSTサービスガイド1999」より】
JSTは日本テレビの近所のサイエンスプラザビルに入っている。自社ビルで何フロアーかはテナントに出しているようである。どこに何があるのか全くわからないほど、とても巨大な建物である。
旧・JICSTと旧・新技術事業団は、JSTのなかでは従来の形態をかなり維持したまま独自の事業部部門として活動しているようである。JICST(科学技術情報事業本部)は、JOISなどのデータベースサービスや文献複写などの受託サービスによる事業収入を上げており、JICSTの経営管理の技術にも興味がある。
JST(大学)−JICST(大学図書館)という構造で、図書館が何らかの収益事業を始めたり、他大学とのコンソーシアムへの分担金の拠出など、JSTの経営形態や組織の運営形態には、大学や大学コンソーシアムへの応用可能な部分がありそうである。
また、JSTは、研究支援で大学との関わりが深いうえに、将来の省庁再編成において学術情報センター (NACSIS)との統合が決まっており、今後は大学図書館との関わりがもっと強まっていくだろう。
■■□JSTの情報編成システム
最初に、JOISのプロモーションビデオを見学者用に設けられたショールームの研修コーナー(約30座席)で見た。この研修コーナーでは、 JOISなどの検索体験もインストラクターがついて行ってくれる。研究会のネタとしても使えそうなコーナーである。
日本テレビでも仕事をしている製作会社によて製作されたビデオは、海外ロケと、家庭の主婦による JOISでのダイオキシン関連文献の検索をまじえたもので、とても垢抜けていて楽しめる内容であり、感心させられた。一般人にも情報検索の有用性がよく理解できるため、是非とも入手して図書館学の講習で上映したいものである。きっと、
かなりな製作費用をかけてあるに違いない。
次に、情報編成システムをみた。JICSTのシステムは、DOBIS→LIRACS→情報編成システムと発展してきている。この情報編成システムにより「収集−発注−目録−受入−論文単位の書誌入力−抄録作成−情報資料館への排架−(閲覧複写)−製本」の一連の業務が処理される。「論文単位の書誌入力−抄録作成」業務は、データベース作成機関であるJISCTに特徴的な処理である。この抄録作成の処理が組み込まれているため、独自なシステムとなっている以外は、通常の図書館のシステムと変わらない。
ここで注目される点は、書店、システム開発業者と協力して、米国の国家規格であるSICIバーコードを使った、雑誌の自動チェックインシステムを日本で初めて開発、実用化した点である。これは、書店との協力の実現と、国際規格ともいえる標準コードを用いている点で、ISSNの実用化に匹敵する注目すべき出来事である。
■■■SICIを利用した自動チェックイン
最後に、注目の「受入」業務を見学した。実際に、SICIをバーコードリーダで読みとる現場を見て感動した。大学図書館システムにもSICIを使えるシステムの出現が期待される。
JICSTでの雑誌の受入業務は、抄録作成のための「論文単位の書誌入力」とともに、同じビルに間借りしている「(株)ディックアルファ」に外注されている。受入冊数は600冊/日、抄録終了までに3ヶ月、コピー依頼の多いものは2部収集されている。洋雑誌の継続タイトル数は、1998年は5000点、1999年は4300点で、1999年分は雑誌の値上がりにより700点の購読中止があった。資料購入費は約5億円である。収集された雑誌は、「情報資料館」(練馬区)と「つくば資料センター」に保管され、来館者には無料で閲覧に供されている。書架スペースは30年の保管が可能である。慶応大学などへ資料を移管したのは、1970年代の前半だけである。
自動チェックインは、1)書店から電子メールで送られる一括納入システムの受付データ、2)JICSTの次号受入予測データ、3)書店によって実際の現物に添付されたバーコードをJICSTのシステムで読みとったデータ、この3つの突き合わせにより行われる。
この突き合わせ作業により、書店側とJICST側のISSNや雑誌の刊行パターンが正確になるなど、雑誌の書誌データの質が向上している。また、増刊号や合併号の所蔵データの流し込みの精度が向上している。さらに、国際的な規格に対応した雑誌受入のシステムが、図書館側にも書店側にも構築される。書店は、丸善、紀伊国屋書店、USACO、北尾書籍貿易、海外出版貿易、国際書房、(swetsは対応せず)の6社が参加している。洋雑誌の9割は自動チェックインされている。将来的には、抄録作業を考慮しなければ、書店からの受付データを図書館側に流し込むだけでチェックイン作業が終了することになるだろう。
DOIについては、現在は、全く考慮されていないが、データベースサービスと複写サービスを電子的に結びつける識別コードとしての活用が今後は検討されるだろう。
990913 【レジュメ】[1999.10.15] 平成11年度日本病院会全国図書研究会「外国雑誌の費用対効果と電子ジャーナル」 目次 Top [local 目次 Top] |
990913 【レジュメ】[1999.09.29] 平成11年度北日本地区図書館研修「インターネットを使ったレファレンス」 目次 Top [local 目次 Top] |
平成11年度北日本地区図書館研修 1999年9月29日 宮城県図書館 「インターネットを使ったレファレンス」を作りました。以下の構成で、インターネットの初心者向けの内容です。図書館員のインターネット入門コース、利用者へのインターネット講習に使えます。
インターネットの概要
検索エンジンの使い方
インターネットを導入する図書館の課題
検索演習問題(40名分)
990901-3 【報告】横浜市の主導する大学コンソーシアムの動き 目次 Top [local 目次 Top] |
出席はしなかったのですが、1999年7月16日に行われた神奈川県内大学図書館相互協力協議会第1回実務担当者会研修会における、「横浜型コンソーシアムの可能性」南学さん(横浜市企画局制作部調査課長)の講演資料より。
レジュメ:
1.京都大学コンソーシアムの背景と地域特性
2.日本の高等教育の危機とその対応
3.情報通信革命(IT革命)のインパクト
4.ボーダレス、キャンパスレスと教育コンテンツ開発
5.資源共有化のすすめ(コンソーシアムの原点)
6.市内大学学長懇談会[1999年秋に開催される予定]で想定される議題
生涯学習への対応
人材育成への対応
雇用対策への対応
地域課題の解決に向けて
施設・設備の活用
特に図書館の開放についての官学連携による市民サービスの向上
資料:
990901-2 【文献】Accessibility of information on the web 目次 Top [local 目次 Top] |
「Webに存在する情報は8億ページで、商業的な内容が83%、科学・教育が6%、ポルノが1.5%。検索エンジンのカバー率は、Northern
Lightのカバー率が一番多く16%。Webの情報が検索エンジンに収録されるまでに2ヶ月から3ヶ月を要する」
990901-1 【文献】高度情報通信社会推進に向けた基本方針 目次 Top [local 目次 Top] |
・高度情報通信社会推進本部決定. 高度情報通信社会推進に向けた基本方針
1998.11.9
<http://www.kantei.go.jp/jp/it/981110kihon.html>
・高度情報通信社会推進本部決定. 高度情報通信社会推進に向けた基本方針
1995.2.21
<http://www.kantei.go.jp/jp/it/990422ho-7.html>
・大学図書館における電子図書館的機能の充実・強化について(建議) 平成8年7月29日
学術審議会
<http://wwwsoc.nacsis.ac.jp/anul/material/kengi.html>
990901 【報告】1999.7.30 「現代の図書館」ヒアリングに出席 目次 Top [local 目次 Top] |
どこの団体でも組織運営や事業内容についての見直しが必要になっています。大学も同様でも入学希望者が減少し、収入の増加が見込めません。本来は、状況が悪化する前に何らかの対策を講じなければならないのでしょうが、残念ながら経営のプロは非営利団体には存在しません。痛みとリスクを伴う何らかの外科的治療が必要なのだと思いますが・・・。
数年前に、書誌索引家協会が解散し、機関誌である「書誌索引展望」(季刊)も終刊したことは大きな驚きでした。また、情報科学技術協会(INFOSTA)の「情報の科学と技術」は、専門図書館やサーチャーばかりでなく、大学図書館に浸透し、公共図書館への販路拡大を模索しています。サーチャー認定試験も当初ほどでないにしろ順調なようです。この差は、情報化社会の潮流によるものなのか、それとも経営手腕によるものなのか、全く別の要因によるものなのか、それは私にはわかりません。しかし、図書館と図書館員の底上げが必要なことだけは間違いありません。
縮小よりむしろ、「JLA研修WG」による研修活動とリンクした、質的量的な拡大路線のほうがよいと考えます。「図書館雑誌」との機能分化による「現代の図書館」のさらなる活性化が、図書館活性化のバロメーターになるはずです。
図書館は出版社の作った情報を提供するだけでなく、設置母体の作っている情報を図書館自らが発信し、地域住民や設置母体の構成員の真の意味での自立を助けるサービスを行う必要があります。図書館員は、限られた資源のなかで、図書館の新たな役割を達成するために、個人の業務遂行能力を引き上げ、組織はより活性化しなければなりません。
図書館と設置母体との関係については、図書館は設置母体に対しての経営管理活動への支援サービスを新たに行うべきです。公共図書館に限らず大学図書館などでも、地域サービスも新たに実施するなど、対外的なアピールも必要です。こういった方針を図書館協会がもっと明確に示すことが出版物の活性化を促し、それが図書館員の機能の向上につながり、図書館が新たな情報サービス機能を獲得できるのです。
990831 【レジュメ】1999.8.28〜31 「レファレンス資料の解題」テキストとプレゼンの手法 目次 Top [local 目次 Top] |
合わせて、いくつかの教室にもインターネットのコンセントが設置され、パソコンからの画像をプロジェクターでスクリーンに投影できるようにもなりました。そこで、実例を織り込んであったテキストに、講習生が退屈しないように様々な画像をリンクさせて、テキストを改訂し、パソコンの画像をプロジェクターから投影しました。
また、今回は、松田卓也さん(神戸大学 理学部 地球惑星科学科 宇宙科学研究室)の「プレゼン道入門:科学研究の口頭発表、ポスター発表のよりよい手法」<http://nova.planet.sci.kobe-u.ac.jp/~matsuda/review/PLAIN99.html>. を参考にして、授業の話し方に改良を加えました。目を見て話すことと、身振り手振りを混ぜることです。
そして、自分でも楽しめることを話すために、講習の内容を3分の1ほど、電子資料にシフトしました。来年は、さらにネットワーク系の実例を充実させ、インターネット実習も追加する予定です。
インターネットと情報探索:「レファレンス資料の解題」(1999.8.28-31)の特別コース 1999.9.4
13:00 [local]
990824 【報告】1999.7.22 JLA研修WG意見交換会に出席 目次 Top [local 目次 Top] |
日本図書館協会の「専門性の確立と強化を目指す研修事業検討ワーキンググループ」(研修WG)
が 、以下の二点について検討を行なっていて、参加者から意見を聴くための会です。大阪会場では、7月26日(月)午後に同様の会が開催されました。
(1)公共図書館・大学図書館の業務分析
(2)研修モデルプログラム素案
移転後の図書館協会をはじめて見てきました。東京駅から歩いて20分という立地は全国レベルの活動を行うにしても、首都圏での会場を確保するにしても、絶好のロケーションです。パソコンと繋がるプロジェクターもあり、インターネットも接続できる設備もあるとのことです。図書館協会を会場にしたインターネット研究会など、色々な研修会のアイディアがわいてきました。どんどん会場として活用したい施設です。
最初に委員会から、経過説明と資料(42p)の説明がなされた後、あらかじめ依頼されていた図書館員から意見が出されました。引き続きフロアからの発言となり、気になった発言のみ箇条書きにしたものを以下にあげます。
【資料目次】
○方向性について
文書を作成することに力を注ぐより、何故、一回の研修を行うことに方向をもっていかないのか、その点が大きな疑問として残りました。JLA研修問題特別委員会「日本図書館協会と研修」『図書館雑誌』89(12) p.1008-1012, 1995.12 から大きな進展は見られない内容といえます。
この1995年の報告に関わったときも、あらかじめ「方針をまとめる」という方向が、JLAからの既定路線となっていて、その範囲でまとめが行われたのですが、その時点から図書館をとりまく環境は悪化しているにもかかわらず、何の対策も講じられていないことは、驚くべき怠慢でしょう。
現職者研修を最優先事項として認識していないと考えざるを得ません。JLAののんびりとした方針につきあうことなく、委員は積極的な提言を行うべきでしょう。
専門的業務は研修で対応し、非専門的業務は外注で対応して、外注業務の切り出しを考えているならば、職員の不足する現状から考えると面白い方向性だと思います。
○プランの実現可能性について
「専門性の確立と強化を目指す研修事業」というタイトルでは、専門性の確立と強化より、図書館機能の強化を掲げるべきであると考えます。
専門性を前面に出すと、司書としての地位を「図書館員のために」確立したいとしか感じられず、権益を確保したいという図書館員のエゴが前面に出てしまいます。
私は専門性という言葉は、はっきりいって嫌いです。本当に、このような内容で当局を納得できると、楽天的に考えているのでしょうか。それとも、当局を納得させる役目は、委員会もJLAも、それぞれが自分の役割ではなくて、相手側がやってくれるはずだとお互いが考えているのでしょうか。
○図書館員個人の考え方について
一番の心配は、自主的に研修に参加する図書館員がどれだけ存在するかという問題です。図書館協会の会員にさえならないような図書館員が、身銭を切ってまで参加したくなるような研修会とはどのような内容なのでしょうか。
○評価できる部分について
図書館界向けには、とてもよくまとまった分析です。
【提案】
990822 【報告】1999.7.21 「電子雑誌を考える」の概要報告 目次 Top [local 目次 Top] |
日 時:1999年7月21日(水) 18:30〜21:30
テーマ:電子雑誌を考える 1)電子雑誌の概要 鶴見大の長谷川 2)米国スタンフォード大の電子雑誌”HighWire”のデモと討論 ユサコ(株) 増田豊、三原勘太郎 内 容:HighWireは「商業出版社の提供する電子ジャーナルはプリント版よりも高い」ため、「非営利学術出版社の技術基盤の改革をサポートする」ために発足した。外国雑誌の価格高騰に悩まされる大学図書館員にとって、これらの新しい電子出版の動きがどのように影響するのかをこの機会に考えてみたい。 |
1.運営に関わる概要
当日は、ホットなテーマである電子雑誌ということもあって、夕立のなかを、33名の方に参加いただきました。あちこちのメーリングリストに案内を出したおかげで、3分の2の方たちが大図研以外からの参加者でしめられ、多方面からの参加者で大変に盛会になりました。また、今回は、例会の前にソフトドリンクと軽食で懇親会の時間を1時間とりました。参加者の懇親を深め、情報交換を行うためです。軽く腹ごしらえもでき、遠方からの参加者の到着を待つこともできました。さらに、鶴見大学図書館のホールが改造され、解像度の良いプロジェクターと、インターネットの回線を使うことができました。
2.「米国スタンフォード大の電子雑誌”HighWire”のデモと討論」
他の出版社やサードパーティーによる電子雑誌システムより優れている特徴は、以下の6点である。
「HighWireは本当に非営利か?」という発言もありました。確かに、図書館から「理不尽な雑誌価格の高騰」という批判を浴びている大手の商業出版社と比べれば、リーズナブルな(筋の通った)価格で提供されていますが、運営資金の調達を含めた経営的な側面は、日本の情報関連産業の理解の範囲外です。
「一般の読者や商業出版社の間で話題となっている、デジタル出版でやコンテンツ配信の分野で、学術電子ジャーナルが先頭を走っているのは、高額な学術雑誌を一日も早く入手したいという需要があるからだ」という感想もありました。
電子雑誌については、米国の研究図書館協会加盟館を対象としたアンケートでは、「アクセスはよくなる」「費用がかかる」という結果が出ています。
4.反省と今後について
講演の後でさらに議論を深めるという観点からは、講演の後で懇親会を開催したほうが効果的だったと思いました。準備の都合もあるのですが、次回の公開例会では、懇親会を後で開催するパターンを試してみたいと考えています。
夕立の雷で、しばらくの間ネットワークが繋がらなくなり、少々焦りました。ネットワークの不安定さが露呈しました。できるならば、ダイヤルアップなど予備的なネットワークの確保をしておけば万全でしょう。
情報提供やネットワークに関わる問題は、図書館員だけで考えても決して解決しません。異館種の図書館員や、情報・ネットワーク業界の人たちとの交流がこれからは必要であると考えています。このような交流をすすめるなかで大図研神奈川が機能強化していき、「交流連合会」の中核となっていくことができればと夢想しています。ネットワークで壁がなくなったときにこそ、大学図書館の機能としての地域性、主題性が、その組織を評価する重要な要因となってきます。個性はグローバル化の流れのなかで磨かれていき、役に立たない個性は消滅する運命を甘受するしかありません。当分は、「ネットワークを道具に使った異業種交流会」を開催していきたいと考えています。
今後の公開例会は、以下のテーマを予定しています。
電子雑誌の概要 (鶴見大学図書館 長谷川)
1.図書館予算の頭打ちと雑誌の価格上昇
2.電子雑誌の市場
3.非営利の動き〜新しい市場の創出
◆◆電子雑誌関連の記事とサイト Ver.1.0◆◆(長谷川@鶴見大1999.8.18) ◆雑誌論文◆
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6.参加者名簿
990811 【報告】 ホームページの作り方−−安く、早く、うまく−− 『図書館雑誌』(1999年9月号) 目次 Top |
990809 【報告】1999.8.6 図書館のヴァージョンアップ / 日赤図書室担当者協議会 目次 Top [local 目次 Top] |
◆内容
学部生の場合
情報処理教育(日吉1年次)
日吉での図書館セミナー:OPACなど(入学時)
情報リテラシー入門(日吉)
基礎医学特論(医学部3年生)
公衆衛生学レポート(医学部4年生):図書館が数コマ担当
H.8から実施、H.11も実施予定
「きたさとニュース」1996:198 Suppl., 1998:214 Suppl.に講義資料集成を再録
自主学習(医学部4年生):レポートをまとめる
看護短大生
入学時のオリエンテーション
情報科学概論(1年)
研究の基礎(1年必修):図書館が2回分を担当
20年以上も続いている
あるテーマの文献リストを提出、発表させ、コメントを加える。
教職員
入局時オリエンテーション
要望により医局毎のオリエンテーション
情報利用講座を開催:インターネット文献検索、CD-ROM、ワークステーション
就業時間前の図書館職員研究会:個人発表
リエゾンライブラリー:看護に強い館員は、収書からオリエンテーションまで、全てに関係を強めて対応していくという、米国の考え方。
HighWireのお知らせ:
<http://www.lib.med.keio.ac.jp/public/e-journal/e-journal.html>
◆感想
医学部という学ぶという動機づけのはっきりした利用者グループと、訓練された図書館員という理想的な組み合わせで、ここまで達成できるという例である。どうやってここまで到達する道筋を描くことができるか、それが問題である。
990802 【報告】1999.8.2 市川市立妙典小学校図書館を見学 目次 Top [local 目次 Top] |
妙典小学校は1999年4月1日に開校しました。市川市で最後の新設校となるそうです。
1.図書館の概要
市川市では、「公共図書館と学校とを結ぶネットワーク事業」【「学校図書館」1999年1月号に紹介】に市川市中央図書館と行徳図書館、小中学校56校全校が参加し、本の貸し借りを、週2回の運搬車によって行っている。このネットワーク事業の延長線上に、コンピュータ化とネットワーク化による、学校図書館の学習・情報センター化が位置づけられている。また、このネットワーク事業や「調べ学習」の背景には、35年以上にわたる読書教育、図書館教育を学校・家庭・地域で育んできた歴史が存在する。
「調べ学習」とは、授業の時間中に「調べる活動」のことである。例えば、国語の授業で「ツバメは子どもに何回も餌を運ぶとあるが、それは何回なのか」、また、生活科で「トマトの育て方を農家のおじさんに尋ね、図鑑でも調べる」などである。「総合学習」とは、教科のバリアフリーと理解すればよい。
3.感想
パソコンとネットワークを駆使した最先端の学校図書館を支えるものは、優秀な司書、優良な蔵書、図書館と教員の協力で行われている「調べ学習」、全市的なネットワークへの長期にわたる取り組み、などでした。
今回、実際の現場に身を置いて学校司書の人たちと話してみることで、異館種であるはずの学校図書館は、教員と図書館員の関係など、大学図書館と非常に似かよっていることが確認できました。
市川市立の学校図書館で共同製作した「調べ学習」の資料を高桑さんからもらって以来、大学版「調べ学習」の実現を以前から考えていました。レポート作成や、演習のための発表資料の作成を援助するために、図書館の力を注ぐことや、実地問題を課した「図書の時間」の創設を教員に働きかけることは、大学版「調べ学習」実現のイメージと異なる感じもします。サービス部門に再度異動になるまでの間、今回の見学からゆっくりイメージを膨らませることにしたいと思います。
「図書館の町、浦安」の学校図書館の方ともご一緒できて、浦安市の学校図書館における図書館業務のシステム化に関する話を聞きました。明るい話題ではなく、マネジメントの必要性を痛感しました。
4.参考資料
990703-2 【研究会】1999.7.21 電子雑誌を考える 1999年7月21日(水) 18:30-21:30 目次 Top [local 目次 Top] |
大学図書館問題研究会神奈川支部7月例会
日 時:1999年7月21日(水) 18:30-21:30 会 場:18:30〜19:30 懇親会 鶴見大学図書館3階会議室
テーマ:電子雑誌を考える
内 容:HighWireは「商業出版社の提供する電子ジャーナルはプリ
会 費:500円 (会場にてお支払い下さい) 申込先:メール又はfaxにて事前に、必ずお申し込み下さい。
HighWireについてはこちらを参照下さい。
大図研の会員でなくとも、どなたでも参加できます。
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990703-1 【メモ】第16回医学情報サービス研究大会 [1999.6.26(土)-27(日)] 成功裏に終了 目次 Top [local 目次 Top] |
■非常に強力な病院図書館の人たちと知り合いになれたこと。
■大学の管理部門にパイプをつなげて、300名規模の研究会を運営するノウハウを蓄積したこと。
■研究会事務局の活動支援ツールとしてのホームページの運用方法を確立できたこと。
■大会を手伝ってもらった本学職員の研修につながったこと。
今度は新しくインターネットの勉強会を開始したいと思っています。「パソコン操作の基礎〜電子メールの基礎・応用〜ホームページの作り方と研究活動への応用〜サーバーの構築〜組織管理と職員研修〜プレゼンテーション技術」このあたりを、いろいろな講師を招いて、年6回ほどのペースで2年間ほどやってみることを考えました。運営組織や資金については白紙の状態ですが、何とかなるのではないでしょうか。
この趣旨に賛同して協力して下さる方は toyohiro@mub.biglobe.ne.jp まで連絡下さい。
共愉(共に愉しむ)--第16回医学情報サービス研究大会を終えて--
第16回医学情報サービス研究大会実行委員 会場・展示担当 長谷川豊祐 toyohiro@mub.biglobe.ne.jp |
6月26日から27日にかけて開催された「第16回医学情報サービス研究大会」には、中四国ネットからも多数ご参加いただきありがとうございました。
実行委員自身が大会の準備と当日の運営を率先して愉しみ、大会参加者も大会を愉しみ、展示企業も参加者との交流を愉しむ、そんな大会を目指しました。皆さんも共に愉しんでいただけたでしょうか。 今回の大会では、実行委員としていっしょに仕事をした病院図書室の人たちと知り合いになれたことと、大学図書館とは違う「病院ネット」な仕事ぶりを体験できたことは大きな成果でした。また、これまで個人的に蓄積してきたインターネット技術を大会に応用できたこともよい経験になりました。大会参加者や実行委員の方たちも、インターネットの可能性を実感していただけたことと思います。 大会の実行委員の仕事をはじめてから「お互いに学びあう(Learning from
Each Other)」という大会のキーワードを知りました。学びあった情報や知識が実務に活かされ、成長した図書館員が他の図書館員に情報や知識を伝えていく。各自の業務と、大会や様々な研修を通じて「達成感」をお互いに共有し続けることが必要です。
16回大会ホームページ<http://www.geocities.co.jp/Berkeley/4110/index.htm>は、16回大会の成果を生かした形でリニューアル・オープンを考えています。それまでの間は、16回大会ホームページの掲示板は運営を続行しますので、大会の感想や職場の様子などをお知らせ下さい。
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990606 【原稿】外国雑誌のRenewalと価格問題 『神資研年報(1999年9月)』 目次 Top [local 目次 Top] |
『図書館経営における課題と文献展望』「現代の図書館」(1998年12月号) を雑誌業務に展開したものが、『大学図書館の業務改善:雑誌業務再構築に向けて』「医学図書館」(1999年6月号) で、さらに雑誌の価格問題に展開したものが今回の原稿です。
この3本をまとめて『雑誌業務のマニュアル』に集約する予定です。
990523 【レジュメ】大図研神奈川支部例会 ホームページの作り方 1999.6.8 目次 Top [local 目次 Top] |
テーマ:ホームページの作り方 長谷川豊祐(鶴見大学図書館)
配付資料によって、全くお金を使わないでホームページを
つくる方法を説明いたします。職場に帰られてからご自分
でおためし下さい。パソコンや投影機などの機器はいっさ
い使いません。
会 場:神奈川県民センター 7階708会議室
日 時:1999年6月8日(火曜) PM 6:30-9:00
参加費:無 料
大図研の会員以外の方は、
支部報を500円で1セット購入していただけると助かります。
例会に先立って総会を6:30-7:00の間おこないます。
終了後、軽く2次会を行います。
地 図:http://www.geocities.co.jp/Berkeley/4108/kensei.gif
レジュメ:http://www.geocities.co.jp/Berkeley/4106/19990608/index.htm .
パワーポイントで作りましたが、ホームページにアップしたものは、画像が鮮明ではありません。
990508 【Memo】NDLがネットワーク系電子出版物へのISSN登録を1999.3から開始 目次 Top [local 目次 Top] |
日本でのISSN登録はISDS日本センター(国立国会図書館収集部国内資料課国際登録係)が行っていて、CD-ROMなどのパッケージ系電子出版物は印刷物と同じにISSNが付与されていました。今回の決定により、相当数の電子雑誌がISSN登録を申請することになりそうです。
これによって電子雑誌に付随する問題が表面化してきます。電子雑誌を利用できるようにすることさえ大変なのに、その目録のことまで考えなければなりません。 雑誌係は忙しくなりそうです。
990504 【文献】日垣隆. 情報の技術. 1997.10 目次 Top [local 目次 Top] |
地元の図書館で返却棚に並んでいたものを見つけました。ついでに、『<検証>大学の冒険. 岩波書店, 1994.1, 290p. ISBN:4-00-001279-7』を、もう一度読み返そうと、一緒に借りてきました。
「東京大学貧乏物語?」では、有馬学長の仕掛けた予算獲得作戦の内幕が語られています。『頭脳の棺桶国立大学. アエラ. 1991.5.28』では、特に施設が老朽化していて、業績を上げている研究室が、意図的に取り上げられ、文教予算の重点配備の方向に大きく動いたとのことです。予算獲得のためにはこのように動かなければなりません。
「保健婦が行く」では、岩手県川井村の「医療−保健−福祉」ネットワーク「ゆいとり」が紹介されています。道具より思想が先にあるという例です。
「アナクロな教室」では、教育の現場が取り上げ、学校教育におけるリテラシー(情報の技術)について考察しています。
・教書美にして ・習字とローマ字 ・壮大な勘違い ・メディア学
・レファレンス ・足下の事態 ・いま、ここ ・明快な答え?
学校が生徒たちにとって、何となく行ってくつろげる場所であることと、本来そこは知識探求の場であることとは、まったく矛盾しない。
レファレンスというあり方は、教育者(本来、司書も教諭でなければならない)が子供に注入する形式ではなく、探すべき知識に向かって両者が同じ視線を共有する。
知識渇望の主体は子どもにあり、その獲得の仕方、つまり「情報の技術」の指南役は司書が果たす。
日本の学校は知識を教え込むのは世界一熱心だが、肝心な知識の獲得の仕方を教えるのは、きわめて不熱心なのだ。大学図書館は電子図書館を指向することの必要ですが、大学と協力して、くつろげる空間と知識探求の場を目指すべきです。
そのためには、教員が問題解決型の指導を行うことが前提になります。
990418 【メモ】NLMの収集業務について 目次 Top [local 目次 Top] |
1.Collection development management of non-English materials in USA
ドハティー後藤喜子(National Library of Medicine)
2.インターネット上での図書館活動
林賢紀(農林水産研究情報センター)
以下は、NLMの収集業務に関する講演のメモです。図書館である以上、悩みは同じと感じました。
はじめに
6年前からNLMに勤務した。語学は教えられない。科学は教えることはできても長い時間が必要。しかし、図書館学は教えることができる。NLM(Ntional Library of Medicine)では、LC、OCLCなどの図書館の略語に苦労した。
Selectionについて
日本語中心にアジア全域の医学関連資料を収集する。北朝鮮の資料はほとんど入手できない。Association
Asian Studyの会議に出店していた日本の書店から70冊の北朝鮮の漢方の本を買ったが、米国で北朝鮮の本をもっているところはないだろう。LC
Oversea Office(海外部門)が本を買い集める。NLMは、集められないものを集めている。
中国書籍は、米国にもディーラーができて良くはいるようになった。数ヶ月で100冊ほどの中医学(Traditional
medicine)のものを入れる。中国の西洋医学は西側のコピーであるので。
インドの本は紙質が悪く、何か処理をしてあるせいか、臭いにおいがする。お国柄でディーラーの質も悪く入荷は良くない。これらの本は読む人がいない。日本語の本も同じ。
Catalog
Contractに出して、品質をチェックし、Meshの訂正を行う。ローマ字化の問題がある。同じ字で読みが違う。読みが同じでも漢字が違う。大門は、ダイモン、オオカドとも読めるので、読みがふってあると良い。
NLMのName authorityも同姓同名の読みを混乱している。雑誌の「巻」を「マキ」と読んでいることもある。分量が多いので目をつむっている。
Journalの選択
日本語関係はすべて扱う。非常に重要で古い学会のものが向けていることも考えられるので、ここ1年で調査を開始している。日本の医学会、研究会は数が多く、ほとんどがJournalを出している。購入も困難である。学会によっては直接購読でしか入手できず、ディーラーがきちんと対応しないと抜けてしまう。原著が載っているものはできるだけ集めたいが、予算の問題がある。判断は原著の数である。コマーシャル誌には原著がなく、レビューもないが、ディーラーはそれを売り込みたくて見本を送ってくる。写真も多く、装丁もよいので米国スタッフは入れたがる。
以上は、NLMn一般のコレクションに関することで、Medlineへの収録に関しては「医学図書館」(1998.12)に書いてある。収集までが後藤さんの範囲である。
日本語のホームページ
2年前からWindows NTによって日常業務を行っているが、ブラウザーでの日本語表示ができない。NLMのセキュリティーの関係で日本語版のブラウザーのダウンロードができない。いまだにNACSISのWebCatが使えない。Win 98 PCを要求中。
NLMのシステム更新
「エンデバーのボイジャー」にNLMが変え、LCでもそれに変えるべく半年前から作業が進行中。Windows対応、完全US-MRC対応で目録業務は楽になった。受入と雑誌のチェックインは慣れないせいか前よりも不便である。発注もうまく動いておらず、システムが完成していない。telnetのLocatorは、今年からLocator plusとなって、Webで使える。
日本の古典籍
History of medicineに分類されて、DBに入っていない。書名と著者はローマ字化してある。今後10年の計画としてDB化を考えている。
MLNの使命(Mission)
LC、NLM、NALでは永久保存が使命である。夢のような図書館である。場所の確保のために別のビルを造るようになる。90年代から3館の間のオーバーラップをなくしつつある。LCの古い医書はNLMにきている。食物関係はNALへ。
990416 【報告】INFOSTAセミナー 「学術雑誌(外国雑誌)の費用対効果」 その(1) 目次 Top [local 目次 Top] |
◆電子ジャーナルの価格やサイト契約
各図書館と出版社間での個々の対応となる。現在は、出版社も価格モデルを模索している段階のようである。
◆電子雑誌は冊子体の代替にはならない
これには、いくつかの場合がある。
雑誌の購読価格を抑えるための手段として電子雑誌を考えた場合は、電子雑誌は冊子より15%ほど高価格になり、電子雑誌も当然値上がりするので、代替にはならない。
『G.スティックス. 電子ネットワークと学術論文. 日経サイエンス. 1995年2月号
p.102-109.』で紹介されているように、 応用物理学分野など、研究者自身が冊子による研究成果の発表を電子に代替しようとしている場合は、もちろん代替になる。学術情報流通のサイクルを、主体的に変革しようとする積極的な態度表明が図書館にも求められている。
複数キャンパスで同じタイトルを複数部数購読している場合、一部冊子を買って、他のキャンパスは電子で利用することによって、電子雑誌は2部目以降の冊子の代替となる。このパターンがもっとも現実的である。
◆価格上昇の要因
出版社の定価の上昇:
電子化への投資に回すために利益率を増やさなければならない。
購読者数の減少を価格上昇で補わなければならない。
物価上昇(印刷・人件費などの事務経費)は、当然の要因である。
M&Aへの費用拡大で、利益を増やす必要がある。
【追加】論文数の増加: 研究者の数が増加すれば論文の数も増加する。業績評価がきびしくなっているため一人当たりの論文生産も増加する。研究開発費も増額している。論文の掲載点数を減らすことも限りがある。この傾向が続く以上、雑誌の価格上昇は宿命的なものといえる。
化学情報協会の千原英昭先生からの指摘で、追加させていただきます。このような大物の先生が参加されているので緊張したのですが、何故、このような大物が参加しているのか興味があります。反対に参加の理由を質問したかったのですが・・・。
為替レートによる変動:これのみが購読価格を下げることのできる、大きな要因である。円高になることを祈るばかりです。
購入価格のばらつき:
出版社が設定する地域差別価格
代理店の仕入原価の差
図書館の予算規模: A大学1億とB大学100万円の契約高では、代理店の図書館に対する割引額も変わってくる。
◆中止候補リストの作成基準
客観的な基準は作りようがありません。インパクトファクターが低いからといって、鶴見大学のA先生にとってもそうであるとは限りません。一人の先生しか使わない雑誌でも、その先生にとっては一番重要な雑誌かもしれません。この雑誌と、100人の先生が日常的に使う雑誌のどちらを中止するのかという局面で、単純に多数決で決めてしまうことが、効果対比用ということなのでしょうか。
外国雑誌購読に関する知識のいい加減な先生にまともにつきあっていると大変なことになるので、こちらでかなり主観的に作ったリストを、先生たちに点検してもらえば中止に関わる手順が簡略になるので、事務処理経費も削減でき、先生の時間も節約でき、効果対費用が効率的になります。
◆代理店への欠号クレーム
マニュアルできめ細かにやった方がよいと思っています。うるさくいえば補充率も上がります。代理店の提供する一括納入方式には個人的に大反対です。図書館愚民化政策でしかありません。
とはいえ、他の図書館が、機械化された欠号処理でのんびり欠号請求している間隙を縫って、素早く補充できる機会が増えるので、ありがたい面もあります。
◆予算獲得のための当局への働きかけ
図書委員の先生や図書館長を通じて当局に働きかけてもらうため、先生や館長に外国雑誌の話を折に触れするようにして、正確な認識をもってもらい、その上で当局と折衝する、このような地道な努力を継続するしかありません。
『山根京(東京女子医科大学図書館). 図書館と金融ビッグバンと外国雑誌. 医学図書館. 45(4) p.406-409, 1998』には、国内代理店にドル払いすることによって、通貨の交換手数料相当分を安くすることが提案されています。
国内代理店にドル払いをすることで安くなる交換手数料の金額がわからないので、何ともいえませんが、代理店がそんな面倒なことを無料でやってくれるのでしょうか。代理店の交換手数料といっても、彼らは数百校分をまとめて処理しているわけですから、一校分の手数料がそんなに節約になるのでしょうか。とはいえ、いくらかでも節約になるなら「試してみる価値」はあります。
安く購入するなら、直接購読や、海外代理店からの購入など、もっと別の方法があるはずですし、為い替リスクを背負い込んでまでもドル払いすることが本当に安上がりなのでしょうか。 所詮、代理店手数料の範囲である10%の節約にしかならず、今年度の中止を回避することはできません。
また、ドル払いによって円高の恩恵を図書館が享受することができますが、円安の場合はその打撃をもろに受けてしまいます。代理店を使わない取引は、車のハンドルに遊びのないスポーツカーに乗るようなものです。それなりのテクニックがいるということですし、慣れるまでは事故も起こるし、保険も必要です。このあたりをきちんと詰めておく必要があるでしょう。
何よりも、代理店とは共生進化の道をとってゆきたいと思います。代理店を全く使わないで、すべてのタイトルを出版社から直接購読することはできません。代理店が購読契約の仲介業者として引き受けていた、為替のリスクや、欠号補充の手配などを、図書館がすべて引き受けることは、業務の効率化といえるでしょうか。
特に、日本の代理店の場合は、雑誌だけを販売するのではなく、ドキュメントデリバリーサービスや図書館関連の施設・設備の販売も手がけており、図書館との関係は密接です。雑誌の取引はその中で大きな割合を占めているので、雑誌の取引のないところには、様々な商品案内や各種のサポートがなされなくなることが予想できます。
個人的には、徹底的に代理店を使い尽くすほうがより効率的であると考えます。が、しかし、総代理店ものの存在など、図書館との共生進化の考えを大きく揺るがすような制度を容認している代理店の態度は問題です。代理店は図書館との共生よりも、出版社との共生を選択しています。 この関係を改善することが必要です。
1999年4月からの金融自由化により、送金手数料を各銀行が独自に決めることができるようになりました。そこで何が起こったかというと、2,500円だった送金手数料が、電信扱いのみで4,500円(4,000円だったか?)になってしまいました。規制緩和は消費者の利益につながらないこともあります。このあたりの日本政府の場当たり的な対応により、電話代は高い、公共料金は高い、各種の手数料は安くならないでは、いつまでたっても学術情報の海外価格差は縮まらず、図書館も代理店も苦労するばかりです。
◆SPARC、学術情報流通のサイクル総代理店もの これらについては後ほど。
990411 【News】『大学図書館の業務改善』「医学図書館」1999年6月号原稿 目次 Top [local 目次 Top] |
『図書館経営における課題と文献展望』「現代の図書館」(1998年12月号)を、雑誌業務に展開したものです。
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