鶴見大学司書・司書補講習 平成15年9月9日〜10日 長谷川豊祐による講義資料

レファレンス資料の解題

1.レファレンス資料の構造的把握

1−1.『レファレンス資料の解題』

1)講義の目的

   ·           レファレンス資料とは?

   ·           情報の流通は?

   ·           情報の媒体は?

   ·           情報活用能力とは?

   ·           自分自身が情報の利用者となるには?

2)関連科目

   ·           レファレンス・サービス:レファレンス・サービスの全体像を理解する。

   ·           情報検索サービス:レファレンス・サービスのうち、情報検索について理解する。

3)講義内容

   ·           レファレンス資料の概要について

   ·           紙媒体のレファレンス資料について

   ·           電子媒体のレファレンス資料について

   ·           これからの図書館と情報活用能力について

 図書館では、伝統的な紙媒体の参考図書、電子媒体の二次資料、及び、インターネット上の情報資源をハイブリッドに駆使して、あらゆるテーマについて調べることができる。図書館員は、様々な状況に応じてレファレンス資料を利用者に提供できなければならない。講義資料により、この3種類のレファレンス資料について構造的に解説し、代表的なレファレンス資料を解題する。

 また、情報化社会においては、図書館員自身も情報リテラシー(情報を使う力)を磨かねばならない。そのための有効なツールであるホームページ、電子メール、検索エンジンなどについて、その仕組みや有効性についても解説したい。

 

1−2.レファレンス資料の定義

 「レファレンス資料」は「調べるための本」である。普通の図書をレファレンス業務に使うこともあり、電子資料を使って調べることも多い。

【参考】レファレンス資料の電子資料への拡大

Q:リンドーマンに関する記事・図書はあるか?(1994年頃の質問)

   ·           A1:原綴り、カタカナ標記の確定で難航。Lindau man か Lindow man か。

   ·           A2:後日に判明:Lindauはドイツのボーデン湖畔の都市で、質問とは無関係。『ミイラ(ビジュアル博物館)』(同朋舎出版)にリンドウ人として写真と概要が掲載。1984年に英国チェシャー州リンドウモスの泥炭地で見つかった約2,300年前の死体。ピート・マーシュ(泥炭沼)というニックネームをつけられて有名になった。

   ·           A3:今では、サーチエンジンや雑誌記事索引[ingenta]でいくつもヒットする。The detection of Escherichia coli DNA in the ancient remains of Lindow Man using the polymerase chain reaction. Letters in Applied Microbiology, May 1997, vol.24, no.5, p.351-354.

 

 私たちは、授業、研究、個人的な趣味に関連して、様々な情報を探さなければならないことがある。そんなときには、知り合いに聞いたり、先生に尋ねたり、書店で本や雑誌を買うこともある。また、図書館の本棚の間を歩きながら本の背中の書名をみて、何か関係のありそうな本を探すこともある。図書館には、調べものをするための専門の資料である「レファレンス資料」は、次のような情報の探索を行うための本である。言葉の意味、ある事柄の概要、人物・団体・地名などに関わる情報、関心のある分野についての図書や雑誌論文を調べることが出来る。

 レファレンス資料の種類には、辞書、百科事典、図鑑、年鑑、統計、書誌、索引、地図、電話帳などがある。レファレンス資料は、一般の本とはわけて並べられている。それは、文学事典、百科事典、歴史事典などの辞典類をまとめて調べるようなケースが多いからである。

 「レファレンス資料」の呼称には、「参考図書」「レファレンス・ブック」「参考資料」「レファレンス・トゥール」「レファレンス・コレクション」などがある。

 関連用語には、以下のものがある。

   ·           レファレンス・サービス:利用者の質問(参考質問)に対して、回答となる情報そのものを提供したり、回答の含まれる情報源を指示・提供すること。

   ·           レファレンス・トゥール:参考質問への回答のために図書館員が使用するトゥール(道具)。

   ·           レファレンス・コレクション:利用者の調査研究活動に提供するために用意されている資料群のこと。

   ·           一次資料、二次資料、三次資料(書誌の書誌):目録・書誌、索引・抄録、書評、レビューなどの二次的な資料に対して用いられる考え方。

 

1−3.レファレンス資料の種類

 レファレンス資料に収められている情報の性質、情報の分量・数量、情報を収めている媒体によって、レファレンス資料を様々な角度からとらえることができる。

1)情報の性質

 レファレンス資料には、求める情報そのものを調べるための「事実解説的トゥール」と、求めている情報を記録している図書や雑誌にはどんなものがあって、それはどこにあるかを調べるための「案内指示的トゥール」がある。

   ·           事実解説的トゥール: 事実解説的トゥールには、辞書、百科事典、専門事典、人名辞典、地名辞典、年鑑、便覧、統計、名簿・名鑑、年表、用語集、地図帳、図鑑などがある。

   ·           案内指示的トゥール: 案内指示的トゥールには、書誌、目録、索引(=文献目録)、抄録誌などがある。書誌は、図書、雑誌、パンフレット、それらの一部などの書誌データのリストである。目録は、書誌に所在情報が付加されている。一般に、索引は図書の一部や雑誌・新聞の記事を探すリストで、目録は図書を探すリストである。

2)情報の量

   ·           事典の項目

   ·           新聞の記事

   ·           雑誌の論文

   ·           一冊の図書

3)情報の媒体

   ·          

   ·           CD-ROM、データベース(DB)、インターネット

 

1−4.レファレンス資料の特徴

   ·           内容:情報あるいはデータをコンパクトに収録している。

   ·           形式:参照しやすいように一定の配列方式にしたがって編集している。

   ·           形態:冊子形、CD-ROM、オンライン・データベース、インターネットがある。電子媒体は、自動索引技術などによりアクセスポイントが豊富である。

   ·           構成:凡例+本体+索引で構成される。

 

1−5.レファレンス資料活用の実際

1)インタビュー(質問者 V.S. レファレンス担当・図書館員)

   ·           緊急度と必要度

   ·           情報の量・質(手持ち、要求)

   ·           支援する気持ち(お互いに事後報告)

2)レファレンス資料の選択

   ·           テーマの広がり

   ·           資料の種類

   ·           媒体

3)調べ方

   ·           キーワードの選択・展開

   ·           セルフサービス

   ·           根気と転換

4)難易度

   ·           インタビューでの予測

   ·           調査での判定

   ·           ギブアップのタイミングと継続性

5)個人的立場

   ·           組織的蓄積

   ·           情報活用能力の向上(質問者・自分も)

   ·           知的好奇心

2.紙媒体のレファレンス資料

                                                                             ·           資料名の前の数字は、長澤雅男著『情報と文献の探索 第3版』(丸善, 1994)の掲載ページ

 

2−1.事実を調べる:辞典と事典

 辞典は言葉の意味を解説し、事典は事柄の内容を解説する。

事典の種類

   ·           百科事典:総合百科事典、主題百科事典、地域百科事典

   ·           専門事典:専門主題事典、専門語辞典、作品用語事典、専門用語事典、その他

 

2−1−1.言語・文字情報の探索

 読み方・発音、書き方・綴り字、語義・意味、語源・字源、同義語・反義語、用法・用例、出典など、言葉に関する情報を調べるための各種の辞典がある。

1)国語辞典

   ·           045『日本国語大辞典 第2版』小学館 2000.12-2002.1 13冊+2冊

2)漢和辞典

   ·           046『大漢和辞典 修訂版』大修館書店 1986 13冊

3)英語辞典

   ·           052『Oxford English Dictionary.2nd ed。』1989  (CD-ROM版、Web版)

4)特殊辞典

   ·           055『現代用語の基礎知識』自由国民社 1948- (Web版)

   ·           055『情報・知識Imidas[イミダス]』集英社 1987-

   ·           055『朝日現代用語 知恵蔵[ちえぞう]』朝日新聞社 1989- (Web版)

5)詩歌索引

   ·           065『新編国歌大観』角川書店 1983-92 20冊  (CD-ROM版)

◆実例(1)言語・文字

   ·           干武陵(うぶりょう)の英語表記は? [山本健吉著 こころのうた 文春文庫 P.128][岩波唐詩選(下) 岩波文庫]  ピンイン,ウェードなど  ・ブリタニカ国際百科大事典 小項目 1巻 P.607 Yu Wu-ling  ・東洋人物レファレンス事典 p.25 Yu[¨] Wu-ling

   ·           白居易の英語表記は Bo juyi でよいか?  ・英語版ブリタニカでは,Po Chu[¨]-I, PinyinではBo juyi,他に,Ba[]I Ju[]-yi, Po Chu[¨]-I, Bai Ju-yi, Pai Chu[¨]-I, Pa Chu[¨]-I

   ·           fortori(数学関係の語)の意味は?

   ·           「いつまでもあると思うな親と金.ないと思うな運と災難」(道歌)の出典は?  [R-388.8103-N]ことわざと名言事典. P.204

【参考】最近の事典の動向

◆読ませることを意識した総合化

   ·           女性学事典. 岩波書店

   ·           情報学事典. 弘文堂

   ·           記号学大事典. 柏書房

   ·           人権百科事典. 明石書店

   ·           人口大事典. 培風館

   ·           事典哲学の木. 講談社

   ·           日本考古学事典. 三省堂

 

◆学びたいものだけを抜き出せる細分化

   ·           源氏物語事典. 大和書房

   ·           日本説話小事典. 大修館書店

   ·           日本名字家系大事典. 東京堂出版

   ·           華僑・華人事典. 弘文堂

   ·           上杉謙信大事典. 新人物往来社

   ·           キリスト教事典. 岩波書店

   ·           小辞典現代韓国・朝鮮. 岩波書店

   ·           岩波小辞典現代の戦争. 岩波書店

2−1−2.事物・事象情報の探索

 図書館におけるレファレンスサービスにおける三大質問は、事実調査、文献調査、人物・団体調査であるといわれる。事実調査は、名称・呼称、種類・類別、内容・特徴、形状・色彩、数量・規模、方法・規則、機能・用途などに類別できる。

1)百科事典

   ·           080『ブリタニカ国際大百科事典』第2版改訂 TBSブリタニカ 1991 28冊+国際年鑑 

   ·           080『世界大百科事典』平凡社 1988 33冊+別冊 (DVD版、Web版)

   ·           081『大百科事典』平凡社 1984-85 16冊 

2)専門事典

   ·           094『岩波生物学辞典 第4版』八杉龍一等 岩波書店 1996 2027p

   ·           096『日本古典文学大辞典』岩波書店 1983-85 6冊

   ·           097『日本近代文学大事典』講談社 1977-78 6冊

   ·           097『中国学芸大事典』大修館書店 1978

3)便覧類

   ·           098『図書館情報学ハンドブック』丸善 1988 1999改訂版:『図書館情報学ハンドブック』図書館情報学ハンドブック編集委員会編 丸善 1999.3 1145p

【参考】百科事典で「雑誌」について調査する。

『ブリタニカ国際大百科事典』第2版改訂 TBSブリタニカ 1991 28冊+国際年鑑

   ·           分 量:8巻p.278-287 7.5ページ

   ·           執筆者:加藤秀俊

   ·           内 容:定義、機能、歴史(草創期、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、オランダ、ソビエト、アメリカ、日本)、リトルマガジン(歴史、日本)  図;表紙の写真14枚 

Encarta 97』

   ·           分 量:9152文字

   ·           執筆者:特定できず

   ·           内 容:概要、草創期の雑誌、19世紀の雑誌(大衆娯楽雑誌の登場、多様化の波、営利雑誌の発展)、20世紀の雑誌(一般誌と専門誌の盛衰)、日本の雑誌(マスプロ化の時代、出版社系週刊誌の創刊、ビジュアル誌・コミック誌・情報誌)

『大百科事典』平凡社 1984-85 16冊

   ·           分 量:6巻p.218-284 2.5ページ

   ·           執筆者:荒瀬豊

   ·           内 容:定義、雑誌出版の特性、歴史(草創期、評論雑誌と文芸雑誌の展開、大衆雑誌と女性雑誌の出現、様々な雑誌の発展、日本の大衆雑誌)、雑誌をめぐる現代の状況、雑誌広告

『万有百科大事典 Encycropedia Genre Japoica』小学館 1973-76 21冊

   ·           分 量:6巻p.216 0.5ページ

   ·           執筆者:清水英夫

   ·           内 容:我が国の雑誌の歴史と特徴、雑誌ブーム  表;日本の雑誌発行部数と金額の変遷

『日本大百科全書 Encyclopedia Nipponica 2001』小学館 1984-89 25冊

   ·           分 量:10巻p.162-164 2.0ページ

   ·           執筆者:鈴木均

   ·           内 容:定義、起源、種類、日本の雑誌、雑誌ライター、世界の雑誌  表;日本の創刊・休廃刊点数の推移、日本の部門別発行点数

『大日本百科事典 Encycropedia Japoica』小学館 1972 28冊

   ·           分 量:8巻p.122-124 1.0ページ

   ·           執筆者:清水英夫

   ·           内 容:定義、種類、名称の由来、歴史、世界の雑誌  表;日本の部門別発行点数、雑誌発行部数の推移

◆実例(2)事物・事象

   ·           幕末の日本の大砲の絵を見たい

   ·           1700年代の英国の相続税女性の相続権について知りたい

   ·           英国図書館の概要について

   ·           マウスの迷路の実験の参考書は?

   ·           「ナイガイキョウイク」にのっている高校教科書の採択率は? → 雑誌「内外教育」やカタログ「教科書定価表」(教科書協会)を取り寄せ

   ·           ゴショグルマ,ハナグルマのでてくる和歌は? → 小車(オグルマ)で探す ・行きなやむ 牛のあゆみに 立つ塵の 風さえあつき 夏の小車 万葉集 定家  ・花ざかり 塵に馳すなる 小車の 我が身一つぞ やる方もなき 万葉集 為家

【参考】「探春詩」

Q:詩に春を読んだもので,字ははっきりわからないが,以下のような感じ.盡日(じんじつ)春を尋ねて春を見ず,(わらじ:草鞋)踏みあまねし朧頭の雲 ?,帰り来る門前梅花一輪 ?,春は杖頭に在りて己に十分.少年の頃の思い出に心に残っていて,この漢詩の作者の概略と出典が知りたい.

             ·           A1:『大漢和辞典』8巻 p.127 「盡」の項目に,盡日尋レ春不レ見レ春(ジンジツハルヲタヅネテハルヲミズ) 一日中,春の景色をたづね歩いたが春らしいものにあはない.[戴u,探春詩]

       盡日尋レ春不レ見レ春    終日 春を尋ねて春を見ず

       杖レ藜(あかざ)踏破幾重雲  藜を杖つき踏破す 幾重の雲

       歸來試把二梅梢一看     帰り来たりて試みに梅梢(バイショウ)を把りて看れば

       春在二枝頭一已十分     春は枝頭(シトウ)に在って 已(スデ)に十分

             ·           A2:NDLの回答:『漢詩名句辞典』(鎌田正,米山寅太郎著 大修館書店 1981)には,戴uの詩句「探春」を掲載し,宋代の人であることを示していますが,解説,伝記資料などは記載されていません.当該部分のコピーを添付しますのでご参照下さい.[今回に限り,事務用コピーを添付します.(この部分はゴム印)].『漢詩名句辞典』より,「探春詩」は『聯珠詩格』に再録されていることがわかります.『中国学芸大事典』にその解説があり,『和刻本漢詩集成 総集篇 9巻』(汲古書院 1979) p.407 に「探春」を収録している.

             ·           A3:中国文学の教員より:宋代の作家は多い.『佩文韻府』により,句から探す方法もある.唐代ならば全唐詩の索引がある.

【質問者の意図について、2次資料の整備状況について】

 

2−1−3.歴史・日時情報の探索

 過去の出来事や、社会で起こった事件の、原因・動機、結果・結末、経緯・沿革、影響・効果、起源・創始、日時・時期、実態・状況などを調べる。

1)歴史事典

   ·           120『国史大辞典』吉川弘文館 1979-

2)年表

   ·           124『日本出版百年史年表』日本書籍出版協会 1968

3)年鑑(一般年鑑、専門年鑑、統計年鑑)

   ·           129『朝日年鑑』朝日新聞社 1924-2000

   ·           129『読売年鑑』読売新聞社 1949-

   ·           129『時事年鑑』時事通信社 1917-1936、1947-

◆実例(3)歴史・日時

   ·           ジーンズの戦後からの売上げ本数 → [383.1-M]ジーンズ物語(講談社現代新書)には記述なし

   ·           江戸時代の一両は現代の何円か? → 『銭の歴史』(岡田稔著 1971) p.130によると,1976年の米価で換算すると「一石=一両=25,000円=1996年の25年後の物価では4万〜6万円か」4〜6万円. H10年の講習生からの情報:稲垣武『平賀源内 江戸の夢』(新潮社)p.74 では,三分五厘:5万円,二朱:7千円.四朱=一分,四分=一両.

   ·           再来年の国民の祝日,春分の日,秋分の日は? → HIASKにより検索.2/1頃の官報に「暦要項」として国立天文台より発表

2−1−4.地理・地名情報の探索

 地名・呼称、起源・由来、位置・距離、面積・規模、人文環境、自然環境、案内・順路などを調べる

1)地理事典(地理学、各国事典、地域百科事典)

   ·           154 都道府県の地域百科事典

2)地域年鑑

   ·           156『世界年鑑』共同通信社 1949-

3)旅行案内書

   ·           000『地球の歩き方』 

◆実例(4)地理・地名

·               N40°40 W70°37は海か陸か?

 

2−1−5.人物・団体情報の探索

 氏名・名称、生没年・創設年、経歴・沿革、業績・事業、住所・所在地、間柄・系列、肖像・シンボルなどを調べる。

◆実例(5)人物・団体

   ·           大兼信助(学識経験者)の略歴?

   ·           個人の電話番号を知りたい → NTTのパソコン通信電話番号案内ANGEL Line

   ·           横浜帆布という会社の存在 ある作家が勤めていた,昭和初期,九州・鹿児島? → 「日本会社史総覧」

   ·           大阪遊技史学会の連絡先は? → 東大史料館所蔵の雑誌「遊技史研究」より

 

2−2.図書を探す:書誌と目録

 案内指示的トゥールのうち、書誌や目録で図書を探す。図書館では、本のことをきかれることが圧倒的に多い。

書誌の種類

   ·           一次的書誌:世界書誌、全国書誌、販売書誌(全国的なもの)

   ·           二次的書誌:選択書誌、個人書誌(著者書誌を含む)、集合書誌(略歴つき書誌を含む)、主題書誌(主題文献案内を含む)、翻訳書誌、特殊書誌、その他

   ·           書誌の書誌

 書誌と索引は混同される: 索引は、特定の資料群を索引対象とし、その内容である概念、事項、語句を項目として抽出し、系統的な配列に整えたもので、それぞれの文献への導きとなるリストである。書誌は、個々の記入の識別を目的にしているが、索引は所在指示を目的にしている。この種の索引(書誌事項にかんしては)目録と類似の特徴を備えている。[MZハンドブック.p.370]

 

2−2−1.参考図書・データベース情報の探索

 参考図書の書誌データ(著者・編者、書名、出版者、出版年)、内容、所在を調べる。

1)参考図書の解題書誌

   ·           023『日本の参考図書 解説総覧』日本図書館協会 1980 (改訂作業中)

   ·           203『年刊 参考図書解説目録』日外アソシエーツ 1994-

2)書誌の書誌:包括的なリスト

   ·           026『書誌年鑑』日外アソシエーツ 1982-

   ·           024『〜〜全情報シリーズ』日外アソシエーツ編集・刊行

   ·           024『辞書・事典全情報 45/89』日外アソシエーツ 1990

3)データベースのディレクトリ

   ·           000『世界CD-ROM総覧』共同計画 1988-

   ·           000『データベース台帳総覧』データベース振興センター 1983- (Web版)

 

2−2−2.図書・叢書情報の探索

 図書の書誌データ、書誌的来歴、内容、入手情報、翻訳書、所在を調べる。

1)一般書誌(日本、米国、英国、その他)

   ·           222『日本全国書誌』国立国会図書館 1981- (Web版)

   ·           222『日本書籍総目録 77/78-』日本書籍出版協会 1977- (CD-ROM版、Web版)

2)翻訳書誌

   ·           241『翻訳図書目録 1945/76-』日外アソシエーツ 1984- (参考 027.34/N)

   ·           000『全集・合集収載翻訳図書目録』[1976-1992](参考 027.34/Z)

   ·           241『明治・大正・昭和翻訳文学目録[1868-1955]』国立国会図書館 風間書房 1959 779p. (参考 903.1/K)

   ·           242『明治・大正・昭和邦訳アメリカ文学書目[1868-1955]』福田なおみ 原書房 1968 (参考 A930.131/M)

   ·           242『東京都立中央図書館蔵合集収載翻訳文学索引』[1945-1975](参考 027.34/T)

   ·           000『翻訳小説全情報』[1945-1992](参考 903.1/H)

   ·           000『全世界文学全集・作家名綜覧』(参考 903.1/N)

   ·           000『世界文学個人全集・内容綜覧』(参考 903.1/N)

3)叢書・合集の書誌・索引

   ·           243『全集・叢書細目総覧』国立国会図書館 紀伊国屋書店 1973-89 3冊

   ·           244『全集叢書総目録 45/90』日外アソシエーツ 1992 6冊

4)蔵書目録

   ·           248『国立国会図書館蔵書目録』昭和23/33- (CD-ROM版、1948-Web版)

   ·           248『国立国会図書館蔵書目録 洋書編』昭和23年- (1986-Web版)

   ·           249『国立国会図書館所蔵明治期刊行図書目録』6冊 (CD-ROM版、Web版)

5)総合目録

   ·           769『国書総目録 増訂版』岩波書店 1989-91 9冊 (Web版、所蔵情報なし)

◆実例(6)図書・叢書

   ·           Thornton Wilder の Heavens My Destination (1930年代)我が行く先は天国”の翻訳はあるか? → 無い.存在しないことを確認する作業は難しい.

   ·           楽譜の出版目録がほしい → ・ZEN-ON Instruments & Music 楽器・楽譜総カタログ ・曲名からひける

   ·           陳玄祐著 離魂記をみたい → 唐代伝奇小説集(東洋文庫)

   ·           大草原の小さな家の原書をみたい → 国内に所蔵館なし

   ·           明治時代のベデカーの地図はあるか? → Baedeker(ドイツの地図出版社)の所蔵は無し

   ·           「アファール猿人」別名ルーシーの「直立歩行」について最近出た本は? → ルーシーで2冊

   ·           禅林象器籤(ぜんりんしょうきせん)をみたい  「現代仏学大系 6-7 89」「禅学叢書 9 79」に収録されているが所蔵無し  ・「仏典全集内容総覧」に収録なし

   ·           古典文庫の1995.12現在の発行点数は?  古典文庫吉田氏によると588点 別冊総目録あり

   ·           蛭についての欧州の薬局方の記述は? → ・独 das deutsche rxneibuch (der Blutegel 蛭)  ・仏 francais pharmacopee (la sangsue 蛭)  ・英 British pharmacopeia (leech 蛭)

   ·           空海の梵字をみたい → 弘法大師全集 梵字事典

   ·           横浜市の食品衛生法施行細則 横浜市令規集 5巻 保健衛生・経済 p.35 はあるか?  市役所,区役所,市立図書館

   ·           小林やすのぶ編纂 東京切絵図 中島くまじろう出版 は全何枚か? → 明治以降本邦地図目録 25鋪 (内閣,都文書館)

   ·           鈴木大摂の欧文図書 Studies in the lankavatara Sutra. 1930, 1957は?  鈴木大摂全集 30巻著作目録 p.665にあり

   ·           松下武雄遺作集「山上療養館」昭14 コギト発行 をみたい  コギト(cogito)S.12.12最終ページに広告,S.13.12は松下武雄追悼号  無し

   ·           「言海」明治40年のもの  鴎外の外来語についての比較のため M.20でok

 

2−3.雑誌論文、新聞記事を探す:索引と抄録

 案内指示的トゥールのうち、索引や抄録誌では雑誌・新聞の記事を探す。

 大学図書館では、あるテーマについての雑誌論文を探すことが多く、そのための資料がそろっている。

索引の種類

   ·           書誌的な索引(書誌単位レベル)

     叢書合集細目索引

     逐次刊行物索引:総目次・総索引、新聞記事索引、雑誌記事索引

   ·           非書誌的索引(記録内容レベル)

     内容索引:名称索引、事項索引

     語句索引:主要語(句)索引、総語句索引

 

2−3−1.新聞・雑誌情報の探索

 種類、書誌データ、書誌的来歴、内容、収載記事、記事内容、所在を調べる。

1)新聞・雑誌のリスト

   ·           273『雑誌新聞総カタログ 1979年版-』メディアリサーチセンター 1978- (CD-ROM版)

2)新聞・雑誌の所蔵目録

   ·           275『国立国会図書館所蔵国内逐次刊行物目録』 (CD-ROM版)

   ·           276『明治新聞雑誌文庫所蔵新聞目録』東京大学法学部同文庫 東京大学出版会 1977 182p.

   ·           276『明治新聞雑誌文庫所蔵雑誌目録』東京大学法学部同文庫 東京大学出版会 1979

3)新聞・雑誌の総合目録

   ·           814『学術雑誌総合目録 和文編』学術情報センター (Web版)

4)新聞記事索引

   ·           279『読売ニュース総覧』昭和55年版- 読売新聞社 1981-

   ·           000『New York Times』 (CD-ROM版、Web版)

   ·           000『朝日新聞』 (CD-ROM版、Web版)

5)総目次・総索引

   ·           282『国立国会図書館所蔵逐次刊行物総目次・総索引一覧』国立国会図書館

   ·           282『日本雑誌目次要覧』日外アソシエーツ

   ·           282『近代雑誌目次文庫 国語・国文学編』ゆまに書房 1989-93 14冊

6)雑誌記事索引(一般索引誌、専門索引誌、引用文献索引、遡及的記事索引)

   ·           283『雑誌記事索引』国立国会図書館 1948- (CD-ROM版、Web版)

   ·           294『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録』同文庫 収録:明治〜 (CD-ROM版、Web版)

7)抄録誌

   ·           296『科学技術文献速報』日本科学技術情報センター 1958- (CD-ROM版、Web版)

   ·           289『Index Medicus』米国立医学図書館 (CD-ROM版、Web版)

   ·           000『医学中央雑誌』医学中央雑誌刊行会 (CD-ROM版、Web版)

8)引用文献索引

   ·           293『Science Citation Index』ISI、 1963- (CD-ROM版、Web版)

◆実例(7)新聞・雑誌

   ·           Japan Times の社説の部分はどこか?  Opinionか?

   ·           Zirkular(Wien) No.5 p.3-11 1981.6.3 Erich Fried Rede zum ersten osterreichischen Schriftstellerkongreb.およびDie horen No.134 p.133-138 1983 Erich Fried Ich soll mich nicht gewohnen. Dankrede zur Verleihung des Bremer Literaturpreises.を取り寄せてほしい → 雑誌名を確認できず

   ·           東と西の文学[東と西の文学の会] 7号 1987 瀬川裕司 救世主は如何にして緩慢に死ぬか--G・グラス「猫と鼠」試論--を取り寄せてほしい  雑誌名確認できず,所蔵館も不明

【参考】情報を収める媒体について

一冊の図書 > 一つの章 > 当該の記述

                 ·           図書の構成:表紙、まえがき、目次、本文、参考文献リスト、索引、奥付

雑誌の全巻 > 一冊の雑誌 > 一つの論文+参考文献リスト > 当該の記述

                 ·           :「東北大学教養部紀要」の「7号(1968年)」の「芥川龍之介『蜘蛛の糸』出典考」という論文  雑誌の構成:表紙、目次、個々の記事、奥付

一つの事典 > 当該の項目

                 ·           事典の構成:表紙、凡例、本文、資料集、参考文献リスト、複数の索引

【参考】図書館情報学について

図書館情報学関係の雑誌記事索引

   ·           『図書館情報学研究文献要覧』日外アソシエーツ

   ·           『図書館年鑑』日本図書館協会 1982- :

   ·           『図書館情報学ハンドブック』丸善 1999.3

   ·           『図書館雑誌』の「図書館関係雑誌記事索引」

図書館情報学関係の雑誌

   ·           『学校図書館』全国学校図書館協議会 月刊

   ·           『現代の図書館』日本図書館協会 季刊

   ·           『情報管理』JST 月刊 (Web版)

   ·           『情報の科学と技術/』(社)情報科学技術協会 月刊 (Web版)

   ·           『図書館界』日本図書館研究会 隔月刊

   ·           『図書館雑誌』日本図書館協会 月刊 (Web版)

   ·           『みんなの図書館』図書館問題研究会 月刊

 

2−4.情報の流れ:芥川龍之介『蜘蛛の糸』に関連して

1) Karma : a story of early Buddhism / by Paul Carus. 1894 [ポール・ケーラス著『カルマ』]

 

2) 鈴木大拙訳『因果の小車』(1898[M31])  1)『カルマ』の翻訳【未所蔵】

   ·           a)『国立国会図書館蔵書目録/明治期(参考 029.11/K)』(1994-95)(国立国会図書館所蔵明治期刊行図書目録(1971-76))が,2)鈴木大拙訳『因果の小車』を収録

 

3) 赤い鳥 1918.7[T7.7](芥川龍之介『蜘蛛の糸』)【オリジナルと復刻も所蔵】

2) 3) e) f)

   ·           b)芥川龍之介全集 2(1977.7-1978.7)[913.6/A-16]が、3)を収録。『芥川龍之介全集総索引[913.6/A-1/]p.112-227  『芥川龍之介全集 3(1995.11-1998.3)

   ·           c)『個人全集・内容綜覧(1984)[910.26/N]が、b)を収録。p.12912-227

c)

 

4) 片野達郎芥川龍之介『蜘蛛の糸』出典考--新資料『因果の小車』の紹介--. 東北大学教養部紀要. 7号(1968)   a),b),c)などをもとにした研究 【未所蔵】

   ·           d)『雑誌記事索引1965-69』が,4)を索引[X.文学 p.169]                [see:日本文学研究文献要覧](参考 910.3/N)

d)

   ·           e)『芥川龍之介事典 増訂版(2001.7)p.164-166 が,4)を引用

   ·           f)『日本文芸論薮(1991) p.285-307 [910.4/K]が,4)を再録

 

参考:

   ·           芥川龍之介『蜘蛛の糸』論 <http://my.netian.com/~ccbsk/zatu_12.htm> これまでの『一本の葱』や英文『カルマ』に比較して、題名の同一、主人公名の「健陀多」という漢字表記まで同一であるから『蜘蛛の糸』の典拠は『因果の小車』であろう。

   ·           鈴木大拙(1870-1966)明治3-昭和41 <http://web.kyoto-inet.or.jp/people/mekata-h/suzukitaisetu.html> 1897年渡米し,イリノイ州の出版社オープン・コートに入り,哲学者ポール・ケーラスを助けて東洋学関係の出版に従事するかたわら,《老子道徳経》《大乗起信論》を英訳し,《大乗仏教概論》を英文で出版した。

 

【参考】日本文学における雑誌記事索引の収録範囲

『雑誌記事索引』(NDL)と『国文学年鑑』(国文学研究資料館)の収録文献数の比較[1984-1990]

同種のツールとして『日本文学研究文献要覧』シリーズがある。

[澤井清; 大友幸恵.国文学索引誌の歴史と現状--国文学論文目録データベースを中心として--.宮城学院女子大学研究論文集. 78号 p.1-37 (1993.12) p.30 データベース別収録論文数の比較(1984-1990)より]

3.レファレンス資料の評価

3−1.レファレンス資料の評価

1)評価の目的

   ·           レファレンス・コレクションの蔵書構築

   ·           特定のレファレンス・ブックの選択

   ·           利用者へのレファレンス資料の使い方の説明

2)評価の着眼点

   ·           製作に関わる要素:編著者、出版者・出版社、出版年。

   ·           内容に関わる要素:収録範囲・内容(主題・時代・地域)、収録資料の種類、内容の記述・表現、項目の選定、配列方法(五十音順、ABC順、年代順、地域順、体系順)、検索手段、収録情報の正確さ、索引・項目見出し以外の参照指示。辞典の内容では、発音、アクセント、定義、用例、語源、熟語、類語、反対語など。事典では、収録事項数、記述の分量、配列体系、索引の種類など。

   ·           形態に関わる要素:印刷・活字、挿図類、造本、媒体。

   ·           利用に関わる要素:価格、操作性(凡例、項目見出し、記述、索引の使い勝手)、検索性能。

   ·           相対的な評価:すでに知っている情報や文献がそのレファレンス資料でどのように取り扱われているか。類似資料との比較や、同一事項の記述の比較。

 

3−2.レファレンス資料の解題

   ·           書誌事項:図説江戸料理事典 / 松下幸子. 東京:柏書房, 1996. 444p; 20cm. ISBN 4-7601-1243-X 【書名、著者名、出版者、出版年、ページ数

   ·           主題:江戸時代の料理や料理用語、料理法。

   ·           種類:辞典・事典、目録・書誌、索引・抄録など

   ·           範囲:江戸時代の料理書で、料理法の記述のある料理書に掲載されているもの。主題、時代、年代、収録数などの収録範囲

   ·           本文:「めし類」「すし類」「めん類」など14項目に分け、料理についての解説と料理法を説明している。料理書その他の文献から、料理および食生活に関する図を選んで本文に添えてある.さらに江戸時代の魚・鳥・野菜、料理用語を加えて解説している。【内容、長さ、詳しさ、平易[heii]さなどの記載項目】

   ·           構成:本文と4種類の付録、索引から構成される。本文は16項目の料理とその解説、関連の図絵など。付録は「江戸時代の諸国名物(魚介類とその加工品)」「出典解題」などがある。索引は料理名の50音順、見出し項目となっているものは太字で示している。【構成・配列:音順、体系順など】

   ·           索引:目次で料理種別を、詳細目次で種別事の料理名を知ることができる。さらに50音順索引から掲載ページを検索できる。【その有無、所在、言語・種類、配列など項目へのアプローチ】

   ·           項目の記述:見出しは仮名で、漢字が添えてある。その料理を作ることができるような解説が述べられ、出典が挙げられている。さらに出典からの料理法の原文(翻刻)を付してある。食材や料理、手順の説明に使われている語句にはふりがながある。関連する図や絵も掲載している。

   ·           用途・印象・対象:現在でも作られる料理の起源や、江戸時代の料理法が詳しくわかる。文学作品や演劇に現れる料理の実際がわかる。図や絵で実際の料理手順や食材の製造法も説明されているので有用である。        参考文献の有無、付録の有無、媒体なども、あれば記述する。

4.電子媒体のレファレンス資料

4−1.電子資料の概要

1)電子資料の種類

   ·           CD-ROM:従来の紙媒体のレファレンス資料を電子化したものが多い。

   ·           オンラインデータベース:インターネットで提供される。

   ·           JOIS(科学技術振興事業団)[225] <http://pr.jst.go.jp/db/jois/index.html>

   ·           ()化学情報協会[213] <http://www.jaici.or.jp/>

   ·           ()ジー・サーチ[767]<http://www.g-search.or.jp/>

   ·           ニフティ()[444]<http://www.nifty.com/category/>

   ·           『日経テレコン21(()日本経済新聞社)[444]<http://telecom21.nikkei.co.jp/>

   ·           NACSIS-IR(国立情報学研究所) <http://www.nii.ac.jp/ir/dblist-j.html>

   ·           各図書館のOPAC <http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/libwww/libwww.html>などがある。

[「データベース台帳総覧 12年度版(13年9月発行)」より]  

   ·           Webページ:検索エンジンなどで検索する。

2)DBの種類

   ·           文献DB:図書の目録情報、雑誌記事などを検索します。検索結果の図書や雑誌記事が登録している図書館で入手できるかどうかは、煩雑ですがOPACで再度調べなければなりません。登録している図書館に所蔵されていない場合は、若干高めの複写料と郵送料が余分にかかりますが、後述するILLにより他の図書館から取り寄せることもできます。

   ·           フルテキストDB:紙媒体の内容を電子化した新聞記事、判例、電子ジャーナルなどは、全文からの検索ができる点と、検索したその場で全文を入手できる点が大きな魅力です。

   ·           ファクトDB:数値データ、統計データ、企業情報などは、ビジネスや研究の場面で利用されます。商用DB全体の利用件数で最も大きな部分です。

 DB提供サービスは、OPACや電子ジャーナルとならんで、図書館の電子資料提供サービスの3つの柱です。研究やビジネスの場面では電子ジャーナルと商用DBの使用は必須です。公共図書館では事典などのCD-ROM形態のDBが主体で、オンラインでのDBサービスは始まったばかりです。電子ジャーナルと同様、商用DBは大学図書館と供給会社との契約条項により一般公開はされていません。一般市民へのDBサービスは、公共図書館による社会人や地域のNPO団体へのサービスとして最も拡充が求められる領域です。

3)DBの提供方式

 オンラインDBの利用形態は以下の通りです。利用形態やそれぞれのDBによって起動手順、検索画面、検索手順が異なりますが、検索語の形式や収録されているデータの範囲(年月、主題、収録雑誌など)を確認して利用するようにします。

   ·           公衆回線方式:電話回線によってDBに接続する方式です。検索結果の出力件数や検索時間によってDB使用料金が課金される従量課金制のサービスです。小数の個人利用ではまだ使われていますが、大学図書ではこの形態のサービス提供はされていません。

   ·           スタンドアローン方式:CD-ROMによってDBが図書館に供給され、図書館のパソコンにCD-ROMをセットして検索します。データベースの年間使用料金を固定してあらかじめ前払いする固定料金制のサービスです。出力件数や検索時間を気にせずに利用できます。従量課金では、利用者に変わって図書館員が検索を代行する代行検索方式でしたが、スタンドアローン方式では利用者自身が検索する方式に変わって、データベースの利用件数が飛躍的に増大しました。図書館では、OSの関係によりCD-ROMサーバで提供できないDBや、ネットワークによる提供のライセンス契約が提供されないDBをこの方式で提供しています。

   ·           CD-ROMサーバ方式:DBのCD-ROMを複数枚格納できるCD-ROMサーバを設置して、構内ネットワークによって複数のパソコンで利用する方式です。図書館では、現在もインターネットで提供されないDBをこの方式で提供しています。

   ·           インターネット方式:インターネットによってDBに接続し、ブラウザで検索する方式です。最も簡便な方式として普及しています。DBによって従量課金制、固定料金制の契約形態があります。インターネット方式の固定料金制では、同時アクセス数、学生・教員の人数によって契約金額が算出されます。

 図書館が積極的にPRを行っていない場合でもDBサービスを提供しています。図書館のWebページから使ったり、図書館員に問い合わせて積極的に活用しましょう。ID、パスワードでの契約がなされていれば、自宅から利用できるDBもあります。  参考:平成14年度「学術情報データベース実態調査」結果 <http://www.nii.ac.jp/ir/dbdr/dbdr.html> 平成14年度の全国の大学向けの調査では、報告されたDBの総数3,026件のうち、Webページの報告のあったDBの1,210件のホームページとリンクしています。

4)DBの特徴(Webページの比較)

 これからの図書館活用においては、インターネットのサーチエンジンと比較したDBの特徴を十分に理解して、サーチエンジンとDBを利用目的に応じて両方を活用することが必要です。

   ·           特定の分野を調査対象にして相当数のレコードを蓄積。

   ·           個々のレコードは内容が構造化されて均質。

   ·           レコードは取捨選択され、情報の内容が濃く信頼性が高い。

   ·           操作性に優れた検索システムで、検索性能を高める機能を備える。

   ·           以上の特徴から、情報入手の時間とコスト性能に優れる。

   ·           有料のDBは図書館の登録者に限定。

5)DBの使い方

 参考:データベース入門<http://www.dpc.or.jp/educ/> [local]

 データベースとは「新聞、企業、人物、書籍、科学データなどの様々な分野の情報をコンピュータの中に蓄積し、必要に応じて取り出せるように整理・分類されているデータの集合体」のこと。キーワード、論理演算、トランケーション(前方一致)、近接演算子、分類コードやシソーラスを用いて検索する。OPACをイメージすればよい。

6)紙媒体との比較

   ·           情報の信頼性:情報の発信者、内容、構成など

   ·           収録範囲:収録しているデータの主題、時代、期間、地域、団体・機関、内容など

   ·           検索機能:トランケーション、論、近接演算、操作性など

   ·           価格:従量制、固定料金、無料など

   ·           パッケージ性:資料としての単位、媒体や情報の所有権

 

信頼性

情報量

操作性

料金

パッケージ性

紙媒体

DB(CD-ROM)

×

DB(Online)

×

Webページ

×

 

4−2.OPAC

4−2−1.個別館のOPAC

 大学図書館や公共図書館における一般的で最も有効なサービスが、Web で公開されている OPAC(Online Public Access Catalog:オンライン閲覧目録)です。WebOPACは、求める図書や雑誌の図書館における所蔵の有無と、所蔵している場合の配架場所を調べるための蔵書目録データベースです。図書館システムの種類は大手の図書館システムだけで10種類以上あります。検索語の選び方は、特に意識しないで書名を入力しても検索できます。OPACでは、書名、著者名、出版社、それらのヨミなどのデータ項目が構造化されたデータベースになっているので、佐藤さんの書いたイギリス文化に関する本という探し方や、漢字表記のヨミからも検索できます。

 書名や書名に含まれる単語などの手がかりがまったくない場合には、絵画や遊戯などの幼児教育(376.157)という図書館の分類記号を使った主題による検索も可能です。主題から検索するには、OPACが提供している分類表などを使うこともできます。また、調べたいテーマに関連する言葉を検索語として検索し、テーマに合致した図書の分類記号を検索語として再度OPACを検索するのも有効です。

 OPACには付加的な検索機能もあります。検索語に続けてアスタリスク「*」などの記号をつける前方一致検索は、サーチエンジンでは自動的に実行される機能です。OPACではサーチエンジンと異なり検索履歴を検索セッションの間は一時的に保持して、複数の検索結果を用いた論理演算も可能です。

【参考】鶴見大学図書館OPACの検索項目と検索語

書名TR

マクドナルド化の世界 : そのテーマは何か? / ジョージ・リッツア著||マクドナルドカ ノ セカイ : ソノ テーマ ワ ナニ カ

出版者PUB

東京 : 早稲田大学出版部 , 2001.5

著者AL

正岡, 寛司(1935-)||マサオカ, カンジ <DA00692560>

CLS分類

NDC9:361.5

SH件名

BSH:マクドナルド社||マクドナルドシャ//L

SH件名

BSH:文化変容||ブンカヘンヨウ//L

書名WD

マクドナルド化 ノ 世界 ソノ テマ ハ 何 カ マクドナルドカ セカイ ワ ナニ MCDONALDIZATION THESIS EXPLORATIONS EXTENSIONS マクドナルド化ノ世界 ソノテマハ何カ

著者WD

ジョジ リッツア著 正岡 寛司 1935 RITZER GEORGE 1940 正岡寛司 RITZERGEORGE1940 マサオカ カンジ マサオカカンジ

件名WD

マクドナルド社 文化変容 文化 変容 マクドナルドシャ ブンカヘンヨウ

請求番号

361.6/R

 図書館へのリンクは以下のサイトから提供されています。図書館へのリンク集は他にも存在しますが、網羅性、更新頻度、付加情報によりこれらのサイトの利用をすすめます。

   ·           図書館リンク集(日本図書館協会) <http://wwwsoc.nii.ac.jp/jla/link/index.html> 公共図書館、大学図書館へのリンク集です。公共図書館のリンク集では、提供されている蔵書検索、予約、レファレンスサービス、地域記事検索などのサービスが明示されています。

   ·           日本国内の大学図書館関係WWWサーバ(東京工業大学附属図書館) <http://www.libra.titech.ac.jp/libraries_Japan.html> 大学図書館へのリンク集です。地域別、あいうえお順、Englishの3種類のリストがあります。

   ·           日本の大学図書館,公共図書館とのリンク+OPAC(慶應義塾大学文学部上田修一氏) <http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/libwww/libwww.html> OPACへの直接リンクが用意されています。公共図書館は、都道府県立図書館、県庁所在都市の図書館、東京23区の図書館へのリンク集す。電子化されたサービスが明示されています。

   ·           日本の図書館 Libraries in Japan(筑波大学附属図書館) <http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/other/japan.html> リストの最期についている「Libraries in the World 世界の図書館」は、世界の国別に各国の図書館をリスト化しています。

   ·           UC Berkeley Libweb(Berkeley Digital Library SunSITE) <http://sunsite.berkeley.edu/Libweb/> 6,600館以上の世界の図書館へのリンク集です。機関名、所在地、館種による検索項目が用意されています。site (the name of the institution)、location (physical location including city, state, and country)、type (library type: academic, public, special, school, national, state)等の項目でも検索できます。日本の学術図書館は「location=japan and type=academic」で55館リストされます。

 大学図書館では2003年3月末現在、OPACは国立では全部、公立・私立ではともに6割の図書館で提供されています。同じく公共図書館では、県立は9割、市区町村立は5割弱で提供されています。OPACの公開は急速に進んでいます。

 

4−2−3.総合目録・横断検索

 探している資料やテーマに関係する図書館を特定できないときには、複数の図書館の蔵書を一緒に検索できる総合目録や、地域や館種のOPACを一括して検索する横断検索システムを利用できます。地域の横断検索システムは、Yahoo! の「各種資料と情報源 > 図書館 > 蔵書の横断検索」でリストできます。

   ·           Webcat:総合目録データベースWWW検索サービス <http://webcat.nii.ac.jp/> 平成13年度末現在、全国の大学図書館の全蔵書数 2億6千万冊のうち、Webcatでは 5,900万冊(25%)が検索できます。収録されていない 3/4 は、Webcatが運用を開始した昭和60年以前の図書とみなせます。個々の図書館のOPACではカード目録から目録データを遡及入力しています。これらの遡及入力されるデータはWebcatに登録されないケースもあるので、個々の図書館OPACのほうがWebcatよりも収録範囲がいくらか広いですが、たいていはWebcatで検索できるはずです。いずれにしろ、古い図書を検索する場合は従来のカード目録の検索が必要で、個々の図書館のOPACやWebcatでもすべての所蔵図書を検索できるわけではない点に留意します。

   ·           図書館の本の横断検索 <http://www.jcross.com/bibcrs/bibcrs2mnu.html> (株)ブレインテックによる横断検索システムです。

  ·          Karlsruhe Virtual Catalog[英語版] <http://www.ubka.uni-karlsruhe.de/hylib/en/kvk.html> ドイツのカールスルーエ大学が提供しています。英・米・独・仏の主要な図書館の目録を横断検索できます。

 

4−3.書誌・所蔵DB

4−3−1.書誌・所蔵DB

 インターネット上には多くの書誌・所蔵DBが存在する。

   ·           Webcat Plus:NII図書情報ナビゲータ <http://webcatplus.nii.ac.jp/>  日本語の図書情報 2,566,118件。「BOOK」データベースから1986年以降に発行された図書(770,297件)について、目次や、帯・カバー等に書かれている内容情報を収録。日本語図書情報の検索機能を大幅に強化し、目次・内容情報を連想機能で本を探す。所蔵データともリンク。

   ·           生成する目録 <http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/BIBLIO/> WWW上で公開されている有用な文献目録、著作目録の所在情報をリンク集の形で提供している。開設は1998年12月5日、更新は2001年12月31日、収録目録数744。[local]

 

4−3−2.雑誌記事索引

 どこからでもアクセスできる雑誌記事索引が国立国会図書館から提供されている。

   ·           NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/> 国立国会図書館の蔵書検索・申込システムで、蔵書検索、雑誌記事検索、文献の申込が一体化。雑誌記事索引は、1948年以降を検索できる。(1948年〜1974年は人文・社会系のみ)雑誌記事索引の採録誌は、国内刊行の学術雑誌を中心とした約10,000誌。記事採録の範囲は、論文、研究報告、資料等であり、原則として次のものは除外されている。

                ·          2ページ以下の記事

                ·          情報、広報記事(経済市況・団体の会計報告・人事情報・統計表等)

                ·          資格試験問題、受験者向講座等

                ·          判例(ただし、判例研究は採録)

                ·          文学作品(小説、戯曲、詩、俳句等)・作品の翻訳、漫筆の類

                ·          要旨・抄録記事

                ·          医学の症例報告

 

4−4.フルテキストDB

4−4−1.新聞記事索引

   ·           沖縄タイムスの「シーサー君」 <http://www.okinawatimes.co.jp/com/dbinfo.html> 「沖縄タイムス」紙掲載記事がテキストデータとして蓄積されており、全文検索が行えます。朝夕刊、号外に掲載された全ての記事が対象ですが、人権への配慮、著作権の問題などで、本文が表示されない記事が一部にあります。現在は無料で公開しています。なお、広告は記事に含まれません。検索対象年月日=1997年1月1日付〜2003年8月20日付。データ更新=原則毎月3回。

   ·           佐賀新聞 <http://www.saga-s.co.jp/> 佐賀新聞社は、記事データベースを全国の新聞社では唯一無料で公開しています。1994年以降の佐賀新聞掲載記事のうち、外国通信社配信の一部を除き、すべて蓄積しています。

   ·           読売新聞 <http://www.yomiuri.co.jp/index.htm> 過去半年のニュースは無料。

   ·           毎日新聞 <http://www.mainichi.co.jp/> 過去半年のニュースは無料。

   ·           朝日新聞 <http://www.asahi.com/> 400の大学・公共図書館で導入している有料サービス。利用者に提供するときには無料。

   ·           日経4誌 <http://nikkei.goo.ne.jp/> 日本経済新聞発行の4紙の記事をキーワード検索することができます。検索期間は過去1年間です。

   ·           HIR-NET 新聞社リンク集 <http://www.hir-net.com/link/np/index.html> HIR-NETリンク集は運営者の辞典類の執筆編集経験から生まれた使いやすいリンク集です。出版社, 新聞社, 放送局, ニュース, スポーツ,データベース, 辞書, インターネット検索,買物, 天気, 地震, 台風, 地図, 交通, メーカー,海, 官公庁, 地方自治体, ライブカメラ, 医療,パソコン, インターネット, カメラ, 展示会,書店, 銀行, 郵便, 電話, 電気, ガス・水道等について3万2000件が登録されています。必要とする情報に素早く到達できるように、使いやすさ、分かりやすさ、リンク先の明確化(正式名称,略称, 読み, URL併記等)に力を入れています。

 

4−4−2.電子ジャーナル

 電子ジャーナルはインターネットによる図書館活用における最も利便性の高い資料です。キャンパス内であれば、図書館が閉まっていても利用でき、パソコンのハードディスクに論文を保存できます。また、IDとパスワード方式のアクセス契約が図書館と出版社で結ばれるか、ダイヤルアップ接続の仕組みを図書館側で用意できれば、自宅からの利用も可能になります。電子ジャーナルは、従来の紙媒体の資料を利用するときの時間と空間の制約から我々を開放してくれます。

 電子ジャーナルの利用は大学図書館では盛んになっています。学術的な雑誌や外国雑誌が多いので地域の公共図書館では提供されていません。平成13年度末のデータでは、電子ジャーナルは国内の大学図書館で30万タイトルが契約されています。一大学の平均点数は、国立大学 1,732点、公立大学 86点、私立大学 277点です。電子ジャーナルの価格体系と契約形態は多様です。そのため、経営母体や主題分野の共通する複数の大学でコンソーシアム(連合体)を形成し、電子ジャーナルを導入する方式が先進的な取り組みとして始まっています。コンソーシアムへの参加により、小規模大学もコンソーシアム内の大規模大学と同じタイトル数の電子ジャーナルを利用できる道が開かれました。今後は電子ジャーナルの導入がさらに進展するでしょう。

 電子ジャーナルの一般公開は難しいです。出版社との契約により大学に所属している学生・大学院生・教員などに利用が限定されているからです。しかし、インターネット経由で電子ジャーナルの個々の論文を個人向けに販売する仕組みが出来上がっているので、無料にこだわらなければ簡単にデジタル化された論文を入手できます。

   ·           ingenta <http://www.ingenta.com/> 学問研究の全分野に渡る雑誌2万8千タイトル、1,500万件の論文が検索できます。目次と抄録までは無料です。クレジット決済で個人が論文を購入することもでき、個人利用の範囲で閲覧・印刷・ダウンロードができます。一論文当たり30ドルが目安です。検索機能も豊富なのでとても便利です。分野毎のタイトルをリストすれば、その分野に関連するWebページへのリンクも提供され、一種のポータルサイトとして筆者は利用しています。

 電子ジャーナルは「電子ジャーナルのリスト」などのリスト形式で図書館のWebページからアクセスできるようになっています。また、電子ジャーナルを大量に契約している図書館では、論文に記載されている参考文献のリンクからそのままフルテキストの電子ジャーナルを参照することや、雑誌論文を検索するデータベースの検索結果からそのまま論文を参照するサービスも一般的に行われています。個人で登録しておいた論文がその後、他の論文に引用されたことを知らせるアラートサービスを受ければ、自分の研究テーマがどのように展開していくのかを、未来に向かって追いかけることもできます。

   ·           HighWire <http://highwire.stanford.edu/> 学術的な電子ジャーナルを提供するシステムです。自前のシステムを維持できる大手商業出版社以外の中小の学協会などにたいして、電子ジャーナルを市場に提供できるように支援するサービスです。電子ジャーナルの利用は有料ですが、一定期間を経過した論文が無料で提供されています。HighWireのトップページにある「free back issues」や「free full text articles」<http://highwire.stanford.edu/lists/freeart.dtl>から無料タイトルがリストされます。そのリストから個々の雑誌のWebページにアクセスして、「Archive」などのリンクから特定の巻号を選択して論文の全文を利用できます。電子ジャーナルの提供システムとして標準的な形態なので、色々な機能を試して電子ジャーナルの理解を深めることができます。

   ·           Ex Libris社のMetaLibデモンストレーション <http://vertigo.usaco.co.jp:8991/> 図書館で契約してる電子ジャーナルやデータベース、インターネットのサーチエンジンまで、有料・無料の多種多様なデジタル資源を図書館側でシステムに登録して一括検索します。さらに、デジタル資源への再検索を実行したり、文献複写の申込までも行えるワンストップショップ的なシステムです。今後はこのような形態のサービスに移行していくのかもしれません。kidney stone (腎臓結石)などの医学関連の検索語でシステムの機能を確認してみましょう。システムの概要が<http://www.usaco.co.jp/products/ex_libris/index.html>で紹介されています。

 以下に電子ジャーナルの収録点数が多いリンク集を紹介します。

   ·           名古屋大学電子ジャーナル・アクセスサービス <http://www.nul.nagoya-u.ac.jp/ej/index.html> 名古屋大学附属図書館による全8,020タイトルのリンク集です。学内利用や無料利用など利用の区分がつけられています。

   ·           国内雑誌へのリンク集 <http://www.nul.nagoya-u.ac.jp/db/mag/> 名古屋大学附属図書館による国内雑誌3,092タイトルの目次や全文へのリンク集です。目次はほとんどが無料で閲覧できます。全文が無料で提供されているサイトもあります。

   ·           [北海道大学附属図書館] Online Journals <http://ambitious.lib.hokudai.ac.jp/online_journal/index.html> 外国雑誌 6,381タイトル、国内雑誌 1,422タイトル、合計 7,803タイトルの電子ジャーナルへのリンク集です。フルテキストへのリンクだけでなく目次情報や国内の所蔵情報へのリンクもあります。

   ·           Electronic Journals Library <http://www.bibliothek.uni-regensburg.de/>のトップページから「Elektronische Zeitschriftenbibliothek」を選択 レーゲンスブルク大学図書館が提供する電子ジャーナルのリンク集です。検索機能をもち、「Preferences」で「Display journals」を「with freely available fulltext articles」に限定し、「Browse journals」で「by subject」を指定すれば、分野ごとに無料で利用できる電子ジャーナルが表示されます。

   ·           Scholarly Journals Distributed Via the World Wide Web (University of Houston Libraries) <http://info.lib.uh.edu/wj/webjour.html> 料金や登録の必要ない電子ジャーナルのリンク集を提供してます。

 海外の大手商業出版社から発行される学術雑誌の年間購読価格は1タイトル当り数十万円から数百万円です。年間購読料は毎年数パーセントづつ上昇を続け、図書館の資料購入費を圧迫しています。学術情報へのオープンアクセスを促す動きもあります。

   ·           Directory of Open Access Journals (DOAJ) <http://www.doaj.org/> 学術情報への自由なアクセスを提供する取り組みです。無料でアクセスできる学術雑誌(査読付き)のリンク集があります。

 

4−5.検索エンジン

4−5−1.Webページの特徴

1)製作者

 Webページは様々な団体や個人によって製作・運営されている。企業、政府官公庁、地方自治体、研究機関、学協会、学校、地域コミュニティ、個人などである。

2)内容

 情報資源としてのインターネットは、主題、形態、内容、質、量において多様である。テキストデータとしては、文学作品や各主題の古典著作、雑誌論文、新聞記事、電子ジャーナル、電子ニューズレター、各種のレポート類、政府・議会関係の文書などがある。また、バイナリデータとしては、パソコンから大型機までソフトウェア、画像ファイルや音声ファイル、いずれも、研究用もあれば趣味的なものもある。データベースも、図書館のOPACやプロスポーツの試合のスケジュールなど、一次情報も二次情報も、商用のデータベースにはないようなものもみられる。このほか、いわゆる掲示板システムによる情報の交換も盛んに行われている。一般人向けにいえば、芸術、ビジネス/経済、コンピュータ/インターネット、教育、娯楽、政府、健康、ニュース、レクリエーション、参考トゥール、地域情報、科学、社会科学、社会/文化など、あらゆる情報があふれている。一過性の情報、即時的な情報、個人的な情報も多い。

3)索引

 Webページの集合がリンクによって結びついて、大きな百科事典を構成している。この百科事典を検索する仕組みが検索エンジンである。ディレクトリ型の検索エンジンは百科事典の事項索引であり、ロボット型の検索エンジンは百科事典に書かれているすべての文書の全文検索をおこなう。Webページは複数のページから構成されており、ディレクトリ型はWebページ単位で検索をおこない、ロボット型はページ単位で検索をおこなっている。ディレクトリ型はサイト検索、全文検索型はページ検索である。

 検索エンジンは、AND、OR、NOTなどの論理演算、フレーズによる検索、更新日によって検索範囲を限定する機能、URLを指定する検索などをサポートしている。また、検索の範囲となるWebページの数は検索エンジンによって異なっているので、一つの検索エンジンで求める情報が見つからない場合でも、他の検索エンジンで検索できる場合もある。従来のレファレンス資料やDBの使い方に習熟していれば戸惑うことはない。

 Webページはほとんどの場合は無料で利用でき、有効な情報資源と認識され、調査・研究や娯楽のツールとして、図書館での利用が始まっている。図書館のホームページも多数開設されている。

【参考】江戸時代の一両は今のいくらか?

◆インターネット以前

A1:都立多摩図書館:『銭の歴史』(岡田稔著 1971) p.130によると,1976年の米価で換算すると「一石=一両=25,000円=1996年の25年後の物価では4万〜6万円か」4〜6万円.

A2:H10年の講習生からの情報:稲垣武『平賀源内 江戸の夢』(新潮社)p.74 では,三分五厘:5万円,二朱:7千円.四朱=一分,四分=一両.

◆インターネット以後

サーチエンジンでの検索語:「一両は今の」「一両の価値」「一両」「一両 現在の価値」「一両 現在 価値」

●日本銀行金融研究所貨幣博物館 お金に関するQ&A

<http://www.imes.boj.or.jp/cm/htmls/feature_faq.htm>

『1.江戸時代の金一両は今のお金のいくらくらいに相当するのですか?

 江戸時代における貨幣の価値がいくらに当たるかという問題は、大変難しい問題です。なぜならば、当時と現在では世の中の仕組みや人々のくらし向きが全く異なっていて、現在と同じ名称の商品やサービスが江戸時代に存在していたとしても、その内容や人々がそれを必要とする度合いなどに違いがみられるからです。

 ただ、一応の試算として江戸時代中期の1両(元文小判)を、米価、賃金(大工の手間賃)、そば代金をもとに当時と現在の価格を比較してみると、米価では1両=約4万円、賃金で1両=30〜40万円、そば代金では1両=12〜13万円ということになります。

 また、米価から計算した金一両の価値は、江戸時代の各時期において差がみられ、おおよそ初期で10万円、中〜後期で3〜5万円、幕末頃には3〜4千円になります。』

1.   江戸時代の金一両は今のお金のいくらくらいに相当するのですか?

2.   江戸時代のお金の単位はどのようになっていましたか?

3.   昭和○年の一円は今のお金のいくらくらいに相当するのですか?

4.   五円玉や五十円玉にはなぜ穴があいているのですか?

5.   日本の現行貨幣はどちらが表でどちらが裏ですか?

6.   日本銀行券や貨幣に描かれている肖像や建物は何ですか?

7.   大きさや重さはどれくらいですか?

8.   また、それぞれの銀行券の発行開始時期および通用停止時期はいつですか?

9.   日本銀行券の肖像は誰が決めるのですか?

10.現行日本銀行券にある印章にはどのような意味がありますか?

MKKB-松平健ナレッジベース 一両を現在のお金に換算してみると

<http://homepage2.nifty.com/sometime/edo/koban/index.htm>

「日本銀行金融研究所貨幣博物館 お金に関するQ&A」の引用、貨幣についての画像など

●「赤猫文芸のホームページ」 赤猫掲示板/過去ログ

<http://www.h4.dion.ne.jp/~ni4gaki/akaneko/guest/log29.htm>

[ 731 ] 一両の価値 神崎玄 (URL)

NHKで「茂七の事件簿ふしぎ草紙」という時代劇をやっていた。

【情報の信頼性、情報源の多様性】

 

4−5−2.Webページの評価

Webページの評価項目

このページはよい情報源である。

   ·           テーマがわかりやすく、明確である。

   ·           信頼できる作者である。

   ·           内容が正確である。

   ·           詳しい内容である。

   ·           見やすくするための工夫がある。

   ·           ページ内のテーマが統一されている。

   ·           量が豊富である。

 

   ·           作者に専門的な知識がある。

   ·           ページタイトルが適切である。

   ·           ページのデザインがよい。

   ·           正しい日本語でかかれている。

   ·           最新の内容である。

   ·           定期的に更新されている。

   ·           他のページへのリンクが多い。

【出典:石田栄美,安形輝,久野高志,上田修一. 情報源となりうるWebページの判定法. 第48回日本図書館情報学会研究大会発表要綱.2000. p.50-53(2000-11-17) <http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/webir/index-j.html>】

 

4−5−3.検索エンジン

1)検索エンジンに習熟する:

ヒットした数百サイトは通覧する。特定の報告書などはその名称で探す。企業・機関はYahoo!で、事項はGoogleで探す。Yahoo!は目次、帯、前書きを検索する。Googleは全文を検索する。ディレクトリー型(登録系)ロボット型(全文検索系)を使い分ける。

2)Webページの仕組み

 Webページは一冊の本、又は、一軒の家・一棟の集合住宅をイメージするとその仕組みを理解しやすい。Yahoo!<http://www.yahoo.co.jp/>は、本のタイトルや目次を探し出す。Google<http://www.google.co.jp/>は、調べたい事項の書いてある本文を探し出して表示する。

3)特定の事項名で調べる:

Googleで「青い目の人形」を検索すると2,380件、「青い目の人形とは」(22件)「青い目の人形について」(65件)「青い目の人形」(177件)などで検索する。

4)キーワードの選択と組み合わせをうまく行う:

「宮城県 岐阜県 岡山県 沖縄県 情報化」により各県の情報化政策のリンク集を得る。

5)検索したサイトや既知のサイトを手がかりに探す:

Googleの「検索オプション」や、gooの「さらに詳しく検索」で関連サイト・リンクの検索を行う。

6)有名サイトの特徴をつかむ:

新しいものはフレッシュアイ<http://www.fresheye.com/>、ニュースは佐賀新聞<http://www.saga-s.co.jp/pubt/ShinDB/search.html>や日経4誌<http://nikkei.goo.ne.jp/>、論理演算の強力さはGoo<http://goo.ne.jp/default.asp?act.expert=1>で、例えば「パスファインダーとは NOT (火星 OR 物理 OR 日産)」。自分のリンク集を作る。消えたサイトのアーカイブ<http://www.archive.org/>もある。

7)サーチエンジンの弱点を把握する:

最新情報、Webページの移転・住所変更・消滅などに難点がある。インターネットのサーチエンジンではOPACの書誌・所蔵データは検索できない。

 

8)Googleの使い方

   ·           「とは検索」で事項調査:何はともあれ「〜〜とは」で検索。

   ·           フレーズ検索:"〜〜"での検索は精度が高い。駄目なら再現率を上げるためワードで。

   ·           名詞の羅列:Webページに表現される形式を想定する。

   ·           対象ファイル指定:厚生統計のエクセル形式など、便利な場合も。

   ·           設定のカスタマイズ:表示件数を200件や新しい検索ウィンドウでの表示など。

   ·           サイトやドメイン指定検索:特定のWebページや大学のみを検索する。

   ·           ランキング表示:求めるWebページが最初に表示される。他のサイトからのリンク等で重み付け。

   ·           キャッシュを活用:引越・消滅ページの表示、検索語のハイライト表示はとても便利。Webページのアーカイブサイトも。Internet Archive <http://www.archive.org/>

   ·           表示をサイト単位にまとめ:さりげないがみやすい機能。

   ·           検索式の保存:Google「拒食症 過食症」<http://www.google.co.jp/search?num=100&hl=ja&inlang=ja&ie=Shift_JIS&newwindow=1&q=%8B%91%90H%8F%C7%81@%89%DF%90H%8F%C7&lr=>(検索式の保存もできる) <http://www.osaka.med.or.jp/health/family/96/96.html> 

   ·           検索キーワードのスペル修復:"Search Engine Optimiser"と"Search Engine Optimizer"など。カタカナ表記が複数ある語句も自動的に一緒に検索。、「+ダイアモンド」の検索はダイアモンドを含むページのみを検索。60,000件と250,000件。

   ·           URLリンクでイモヅル式:既知のURLにリンクしているページは有用。

   ·           関連サイト検索:既知のURLと似ている内容のページも有用。

   ·           検索結果のディレクトリの利用:既知のURLの含まれるディレクトリも有用。

   ·           検索エンジンの使い分け:Yahoo!(Googleとも提携)、Goo<http://www.goo.ne.jp/>(論理演算は強力、論理和も可能)、フレッシュアイ<http://www.fresheye.com/>、検索デスク<http://www.searchdesk.com/>

   ·           SEO(Search Engine Optimizer):サーチエンジン最適化プログラムの無効性。

   ·           Amazon.comの本もヒット:本も探せるが、書誌DBではない。除くことも可能。

   ·           検索ボックス、ツールバーの設置も可能

【参考】検索テクニック

   ·           関裕司. インターネット最強の検索術. リブロス, 2000

   ·           検索の鉄人による「検索テクニック集」:<http://www.shikencho.com/iron/irontext.php>

【サーチエンジンはWebページの索引】

【参考】サーチエンジンの手法

   ·           Google の秘密 - PageRank 徹底解説 <http://www.kusastro.kyoto-u.ac.jp/~baba/wais/pagerank.html> 

   ·           PageRankTM) について <http://www.google.com/intl/ja/why_use.html> PageRank(TM) は、Webの膨大なリンク構造を用いて、その特性を生かします。ページAからページBへのリンクをページAによるページBへの支持投票とみなし、Googleはこの投票数によりそのページの重要性を判断します。しかしGoogleは単に票数、つまりリンク数を見るだけではなく、票を投じたページについても分析します。「重要度」の高いページによって投じられた票はより高く評価されて、それを受け取ったページを「重要なもの」にしていくのです。 こうした分析によって高評価を得た重要なページには高いPageRank(TM) (ページ順位)が与えられ、検索結果内の順位も高くなります。PageRank(TM) はGoogleにおけるページの重要度を示す総合的な指標であり、各検索に影響されるものではありません。むしろ、PageRank(TM) は複雑なアルゴリズムにしたがったリンク構造の分析にもとづく、各Webページそのものの特性です。』

   ·           久野高志,安形輝,上田修一. 情報検索システムとしてみたサーチエンジン. 第49回日本図書館情報学会研究大会発表要綱.2001. p.47-50(2001-10-20) <http://www.slis.keio.ac.jp/~ueda/webir/index-j.html> 

                      ·     a)従来の情報検索を応用した技術: ・論理演算子/近接演算子 ・順位付け出力 ・適合性フィードバック ・検索式の拡張 ・あいまい検索/自然言語処理 ・フィールド指定・多言語検索 ・マルチメディア検索 ・データベースの指定 ・自動分類

                      ·     b)情報検索とインターネットの両方に関わる技術: ・引用検索 ・引用分析の応用

                      ·     c)インターネット特有の技術: ・URL検索 ・ページ群の集約/サイトごとの表示 ・サムネイル表示 ・更新ページの収集 ・ページタイプ判定 ・デフォルトサイト(ポータルサイト) ・多くの情報サービスの集約 ・ディレクトリ型とロボット型サーチエンジンの境界の曖昧化 ・検索結果の優先順位

                      ·     8割の利用者はキーワードを1語のみ用い,約3割は検索結果を絞り込むことができないなどの理由で4回に1回は検索をあきらめている <http://www.fresheye.com/etc/szuba/pre_0308.html>

 

4−5−4.紙媒体のレファレンス資料との類似性

 実は、共通していることが多い。

   ·           調査は辞典、事典から開始する。

   ·           探している情報がどの辺にあるか、どんな形で出現するか推測する。本の中にある情報は探すのが大変だが、目次や索引を活用する。電子資料はフルテキスト検索が可能であるが、絵を探すのは大変。

   ·           そもそも存在しそうか。書誌の書誌を探す。Webページではマニアのページも有効。

   ·           個々の図書館の使い方、配架方式は多様である。Webも同様だが検索対象が巨大である。

   ·           名称を捜す質問の定番ツール、定番キーワード。「はじめての」「日本一の」「一番の」「三大〜」など。

   ·           諺などの出典や意味などの一捻りした調査への対応。辞典〜主題〜根気。再インタビューへの道筋をつけておく。セスフサービス化への道筋もつける。「漱石の生家」など、具体的な固有名詞を特定できれば、その固有名詞が識別性の高いものであるほど捜索は簡単になる。「江戸小紋」よりは「家内安全」の柄のほうが識別性は高い。「〜の価値」「一番の〜」など抽象概念は探しにくい。

   ·           図書館とインターネットの境界の消失もある。図書館Webページで公開しているQ&Aを検索エンジンにヒットすることもある。「ゆで卵 外側に黄味」〜「反転卵」〜「黄味返し卵」〜「万宝料理秘密箱」〜市川市立図書館<http://www.city.ichikawa.chiba.jp/shisetsu/tosyo/ref/ref9907.htm>

   ·           インターネット上の情報の信頼性は多様である。複数情報源で裏を取る。予備調査としては十分使える。何が正解なのかは、本でも記述の出典不明なものは多い。

URLの読み方

本学のWebページのURL <http://www.tsurumi-u.ac.jp/index.htm>

講師のWebページのURL <http://www2d.biglobe.or.jp/~st886ngw/index.htm>

転送方法://コンピュータの名前/ファイル名

 コンピュータの名前=組織名.組織の属性.国名

 組織の属性

   ·           ac:教育、学術機関(主に大学)

   ·           co:一般企業、営利法人 例:発掘!あるある大事典 <http://www.ktv.co.jp/ARUARU/>

   ·           ed:小中高校などの教育機関

   ·           go:日本国政府機関 気象庁<http://www.jma.go.jp/>の「お天気データ」

   ·           gr:法人格を持たない団体

   ·           ne:ネットワークサービス、プロバイダー等

   ·           or:営利以外の法人団体(一部のプロバイダーも含む)

   ·           地域名:県市町村など地方公共団体など

   ·           ~ (チルダ):個人のWebページのURLに使用されている記号で、チルダの前[www2d.biglobe.or.jp]はプロバイダや個人の所属する団体のドメイン名、チルダの後[st886ngw]は個人のディレクトリを示す。実は強力な予備調査ツール。「ドイツの葉書」<http://www1.plala.or.jp/stein/>などは、完璧なツール。

   ·           日記、随想、BBSへの書込み

 

4−6.ハイブリッドレファレンス [長谷川の造語]

4−6−1.図書館相互貸借

 探している図書や雑誌論文を図書館で所蔵していない場合は、登録している図書館を通じて、他の図書館からILL(Iinterlibrary Loan:図書館相互貸借)によってコピーした資料を入手したり、一般公開している図書館に出かけて資料を閲覧することもできます。

 ILLには、図書を図書館間で貸借し、借り受け館の館内で閲覧する「現物貸借」と、雑誌論文や図書の一部分のコピーを郵送する「文献複写」の2種類があります。公共図書館では「現物貸借」が一般的で「文献複写」サービスはほとんど行われていません。大学図書館では「文献複写」が大量ですが、「現物貸借」も一般的に行われています。

 ILLによる文献入手は、文献複写の依頼を受け付ける図書館にとっては学外者へのサービスになります。登録している図書館よりも1枚当たりの複写料金は高く設定されています。郵送料も負担しなければならないので、金銭的な負担は覚悟しなければなりません。登録している図書館で文献複写の申込を行ってから約1週間で文献が入手できます。

 国立国会図書館による登録利用者(個人)への郵送複写サービスが平成15年1月7日から開始されました<http://www.ndl.go.jp/jp/information/news.html>。来館することなく、NDL-OPAC(国立国会図書館蔵書検索・申込システム)によって、満18歳以上の個人が自宅や職場からインターネットにより複写を申し込むことができるサービスです。大学を卒業した後も、国立国会図書館を遠隔地から利用できることになります。これまでの図書館間で行うILLの形態と比較すると、いかに画期的なサービスであるか理解できます。

 登録している図書館では文献複写依頼をメール等で受けつける館もありますが、図書館員の処理を経ないで申込がなされるため日数の短縮になります。文献入手に要する日にちは、試してみた経験から約1週間程度です。通常はいくつかの図書館に分散して依頼しなければならない複数の文献も、膨大な蔵書を有する国立国会図書館には一括して申し込むことができます。料金は、図書館を通じてILLで他の大学図書館に依頼するよりは割高になる場合もあり、料金の支払を郵便振替や銀行振込によって自分で行わなければなりません。個人で自宅から依頼でき、文献が自宅に届くという利便性から、料金や支払の手間はNDL-OPACを利用する大きな障害にはならないと思われます。

   ·           NDL-OPAC <http://opac.ndl.go.jp/> 国立国会図書館の蔵書検索・申込システムです。蔵書検索、雑誌記事検索、文献の申込が一体化しています。登録利用者のIDとパスワードでアクセスすれば、検索結果画面からそのまま図書の一部分や雑誌論文の複写を申し込めます。これまでは商業ベースで有料で提供されていた雑誌記事索引は1948年以降の和雑誌の記事が無料で検索できます。文献申込サービスを利用するには、最初に「登録利用者制度のご案内」から利用者登録が必要です。氏名・住所・年齢(生年月日)確認のために住民票や保険証のコピーなどが必要ですが、郵送での申請ができるので手続きは簡単です。登録は無料です。是非、個人で登録しておきたいサービスです。

   ·           British Library Public Catalogue <http://blpc.bl.uk/> 英国図書館の蔵書検索・文献申込システムです。国内に求める文献を所蔵している図書館がない場合に利用します。登録している大学図書館から文献複写の依頼を行ってくれます。図書館で雑誌記事検索システムである「BL inside Web」が提供されていれば雑誌論文の検索もできます。個人での文献複写もクレジットカードによる決済で受け付けています。料金は、一論文当たり30ドルが目安です。先に説明した「ingenta」と変わらない価格ですが、こちらは紙によるコピーです。英語文献の入手は、英国図書館の膨大な所蔵資料でほとんど満たされるはずです。

 日本語文献と英語文献に関しては、国立国会図書館と英国図書館を利用することで、図書館を仲介しない個人ベースでも問題なく文献を入手できる環境が整ったといえます。

   ·           上海図書館 文献提供センター <http://www.library.sh.cn/japan/wxtg/wxtg.htm> 日本語版Webページも用意されています。「国内外の全ての機構と個人を対象に、類型と媒体に拘らない文献検索、広域検索、図書館相互貸出、情報転送を含む一括方式の全面的な文献サービスを提供致します」との説明があります。Webページのフォームを使ってオンラインで申込みます。

 

4−6−2.図書館の一般公開

 学習、調査、研究のための図書館には、大学図書館、公共図書館、専門図書館などがあります。それぞれの館種の利用対象は、大学図書館では在籍する学生と教職員、公共図書館ではその地域に在住・在勤・在学する一般市民、専門図書館では図書館を設置する機関の構成員となっていますが、社会の要請を受けて一般市民への図書の閲覧・貸出などの図書館資源を開放する一般開放も幅広く行われています。一般公開とOPACを利用して、あらゆる図書館の蔵書を有効活用できる状況が整っていることを認識したいものです。図書館に出かけることなく雑誌論文のコピーを自宅で受け取ることのできる、個人を対象としたサービスもはじまっています。

1)大学図書館の一般公開

 大学図書館の一般公開は、「平成14年度大学図書館実態調査結果報告」によれば、閲覧は9割、貸出は5割弱で実施されています。一般公開による来館利用に関しての詳細な手続き、必要書類、利用範囲は、各大学図書館のWebページから利用案内が公開されています。「学外の方へ」「学外者の方へ」「一般市民の方へ」などのリンクをたどってみましょう。情報検索、参考調査(レファレンスサービス)は、国立大学の8割が公開してます。

 閲覧に関しては、登録している大学図書館や公共図書館の紹介状や身分証明証を持参し、調査・研究目的であればほぼすべての図書館で可能です。貸出に関しては、写真の必要な館、カードの発行に数日を要する館があります。相手先の図書館の利用者にたいして迷惑にならないように利用しましょう。

 

 

 

公開内容

(館数と%)

 

 

 

 

2002年

大学数

公開数

情報検索

館内閲覧

館外貸出

複  写

参考調査

そ の 他

全体

686

657

498

652

319

630

391

54

国立

99

98

77

98

63

93

81

10

公立

75

73

57

72

29

70

43

6

私立

512

486

364

482

227

467

267

38

全体

 

96%

76%

99%

49%

96%

60%

8%

国立

 

99%

79%

100%

64%

95%

83%

10%

公立

 

97%

78%

99%

40%

96%

59%

8%

私立

 

95%

75%

99%

47%

96%

55%

8%

出典:「平成14年度大学図書館実態調査結果報告」 パーセントは公開数に対しての数字

2)公共図書館の「一般公開」

 地域資料を利用する場合を除いて、在住・在勤している地域以外の公共図書館を利用することはあまりないかもしれませんが、閲覧だけなら公開されています。隣接市町村が広域利用を実施するケースも増えています。

   ·           市民利用制度のご案内 <http://opac.yokohama-cu.ac.jp/lib/shimin/shiminuser.htm> 横浜市立大学学術情報センターにおける市民開放です。「横浜市内に在住・在勤の20歳以上の方で、学術情報センター本館が所蔵する学術文献資料を調査・研究のために必要とする方」が対象範囲です。市民対象の情報探索講習サービス<http://opac.yokohama-cu.ac.jp/lib/shimin/moshikomi.html>を定期的に開催しています。市外の住民の参加も可能です

3)専門図書館の一般公開

 「専門情報機関総覧 2000」によれば、専門図書館の一般公開は8割弱です。公開の内容は、最低限でも閲覧と複写は可能です。調査内容が特定主題領域の場合には専門図書館も調査してみましょう。

 

館数

 

 

パーセント

 

 

総数(注1)

公  開

限定公開(注2)

非公開

公  開

限定公開(注2)

非公開

1,288

687

272

329

54%

21%

25%

出典:「専門情報機関総覧 2000」

(注1)大学・公共図書館を除いた、政府、地方自治体、学協会、民間企業、美術館・博物館

(注2) 要紹介状、利用目的を調査研究に限定

   ·           法政大学大原社会問題研究所 <http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/> 大原デジタルライブラリー、社会・労働関係リンク集、労働サイト横断検索、E-Mailニュースレターなどのサービスが提供される。専門領域における包括的な情報源であり、理想的なポータルサイトです。スタッフ個人サイトにより、さらに専門領域を深く掘り下げることもできます。紙媒体の資料の蓄積と索引作業による資料の組織化があってはじめて出来上がったWebページである。図書館などの情報提供機関のWebページ作成・運営のお手本になるサイトです。

   ·           ACADEMIC RESOURCE GUIDE リンク集-専門図書館 (岡本真氏) <http://www.ne.jp/asahi/coffee/house/ARG/library.html> 372機関を分野別のリンク集にまとめて所在地と簡単なコメントを付してあります。

   ·           東京都立図書館の類縁機関名簿 <http://www.library.metro.tokyo.jp/16/16d01.html> 451機関が収録され、利用案内やコレクションの紹介があります。

   ·           ビジネス支援ライブラリー TOKYO SPRing <http://www.tokyo-cci.or.jp/spring/index.html> 起業準備の情報提供を行うビジネス支援図書館という新しい形態の図書館です。ビジネス支援、創業支援を目的に、東京商工会議所が東京都委託を受けて設立しました。東京都に在住、在勤、創業予定者に公開されています。ビジネス関連DBの館内での利用、相談コーナーによる開業支援も行われています。探している情報に対する適切な情報源をアドバイスするメールレファレンスも提供されています。

 

4−6−3.デジタルレファレンス

 電子メールやWebページからの問合せ様式(以下、フォーム)からレファレンス質問を受付けている図書館が増えています。レファレンスサービスとは、調べているテーマについての資料が見つからない場合や、どうやって調べたらよいかわからない場合に、図書館員が資料調査の支援を行うことです。大学図書館でも公共図書館でも提供しているサービスなので、一度は登録している図書館のレファレンスサービスを利用してみましょう。

 従来も非来館サービスである電話レファレンスサービスは行われていましたが、電子メールを使うことによって質問者とレファレンス担当者がリアルタイムで対応しない質問の受付ができます。メールレファレンスが非同期のサービスであるならば、チャットレファレンスは電話レファレンスと同様、リモートでリアルタイムのサービスです。これらは新たな質問回答ツールとして活用されているようです。

 欧米ではインターネット用のレファレンスシステムが、24/7 Reference(24時間を7日間ということ)、Live Reference、Chat Referenceなどのサービス名称で多数販売されています。大手の大学図書館の加盟している米国研究図書館協会のすべての図書館<http://www.arl.org/members.html>では、メールレファレンスやチャットレファレンスといったデジタルレファレンスサービスが提供されています。Webページのフォームを使ったメールレファレンスは日本の図書館でも散見されるようになりましたが、チャットレファレンスの事例は見当たりません。

1)メールレファレンス

 デジタルレファレンスを提供してる公共図書館では、住民でない場合でも、その地域に関連したテーマであれば回答してくれます。

   ·           公共図書館Webサイトのサービス <http://www.jla.or.jp/link/public2.html> 日本図書館協会による2003年8月の調査です。Webページからの予約(253館)、メールレファレンス(53館)が行われている館へのリンク集があります。

   ·           デジタル・レファレンス・サービス実施館 <http://www.jissen.ac.jp/library/frame/digiref.htm> 実践女子大学図書館によって作成されているリストです。都道府県立図書館 33館、市町村図書館 30館、大学図書館 11館、過去事例データベース 8館へのリンク集があります。

   ·           E-Mail Reference Sites <http://www.lis.uiuc.edu/~b-sloan/e-mail.html> 個人で管理されているメールレファレンスのリンク集でし。数年間メンテナンスされていないのでリンク切れもあります。「Google Directory - Reference > Ask an Expert > Libraries」<http://directory.google.com/Top/Reference/Ask_an_Expert/Libraries/>もあわせて使えばよいでしょう。

2)海外向けのメールレファレンス

 前出のUC Berkeley Libweb で 検索項目を「type=national」として検索すれば、100館の国立図書館が検索できます<http://www.ohiolink.edu/cgi-bin/libweb-search.pl?search=type%3Dnational>。各国の国立図書館ではデジタルレファレンスサービスが国外の人たちにも提供されています。

   ·           Library of Congress(アメリカ議会図書館)による Ask a Librarian <http://www.loc.gov/rr/askalib/>

   ·           International Reference Service <http://www.ndl.go.jp/en/service/oversea/data_reference.html> 日本の国立国会図書館が外国向けに提供するメールレファレンスサービスです。

3)レファレンス事例集

 こうした外部の図書館へのレファレンス質問は、登録している図書館で相談して回答が得られなかった場合にその図書館を通じて申し込む手順が基本になっています。しかし、インターネットの普及に伴い、個人単位で様々な図書館に直接申し込む方式が発達していくのかもしれない。レファレンス質問の蓄積もされているので、こちらも活用できます。

   ·           東京都立図書館レファレンス事例100 <http://www.library.metro.tokyo.jp/16/16500.html> レファレンス事例をカテゴリー別一覧、キーワード一覧で公開しています。

   ·           New York Public Library の Q&A Archive デジタルレファレンスである Ask A Question <http://ask.nypl.org/> のページにあります。問合せの前に Q&A を確認できるのは便利です。

4)図書館以外のメールレファレンス

 図書館とはまったく関係のないデジタルレファレンス。

   ·           OKWeb:みんなの質問に、みんなで答える、Q&Aサイト <http://www.okweb.ne.jp/> 

   ·           教えて goo!:みんなの疑問、みんなで解決! <http://oshiete.goo.ne.jp/jsp/oshiete_top.jsp> 

   ·           人力検索サイト・はてな:知りたいホームページのアドレス調査 <http://www.hatena.ne.jp/> 

   ·           Kスクエア:人がつなぐ知恵の検索サイト <http://www.ksquare.co.jp/> 

   ·           EasySeek「あの本のタイトルが知りたい」 <http://www.easyseek.net/bbs/index.php3?act=tpc&c_no=24> 

   ·           知恵の和ドットコム:ITとビジネスについて <http://www.chienowa.com/> 

   ·           All About Japan <http://allabout.co.jp/> 情報サイト

 

4−6−4.有用なサイト

 インターネット上の電子資料にたどり着くために図書館がナビゲーションをするサービスです。図書館を活用して情報活用を行う場面での新しい展開です。最も潜在的な需要があるサービスだと思います。以下に説明するサービスを利用して自力で情報探索が行えるようになります。

1)資料のデジタル化

 図書館による貴重書や大学紀要のデジタル化が進行しています。江戸時代までの著作物は著作権が切れているので、図書館が所蔵している貴重書はデジタル化が盛んに行われています。大学紀要は執筆者が学内者のため著作権処理が簡単で、編集の段階でデジタル化することも容易で、デジタル化が進んでいる領域です。

   ·           American Memory <http://memory.loc.gov/> Project Gutenberg <http://gutenberg.net/> と並ぶデジタル資料の代表格です。米国議会図書館により、アメリカ史に関する写真、手稿、楽譜、映画、録音、図書などの生資料が公開されています。サイトの情報によれば収録点数は700万点を超えるとのことです。アメリカンメモリーには「Learning page[学習のためのページ]」が用意され、デジタルコンテンツを教育現場で活用することまで視野に入れられ、デジタル化を目的化しない用意周到さがあります。

   ·           電子図書館の蔵書 <http://www.ndl.go.jp/jp/data/endl.html> 国立国会図書館により、貴重書画像データベースと近代デジタルライブラリーの電子化が行われ公開されています。貴重書画像データベースは、和漢書 193点約19,400コマ、江戸期を中心とした錦絵 505点約11,500枚、近代デジタルライブラリーは、人文・社会科学分野の明治期刊行図書を収録した画像約3万冊です。

2)デジタル化資料へのリンク集

 デジタル化資料へのリンク集が熱心な大学図書館の努力で作られています。デジタル化資料の個々のサイトをサーチエンジンなどで調べると、検索ノイズが多くて探すのに苦労しますが、こうしたリンク集は大変に有用です。

   ·           電子化資料を提供しているサーバー <http://www.lib.u-ryukyu.ac.jp/erwg/denshika.html> 琉球大学附属図書館による国立大学で公開されている電子化資料へのリンク集です。

   ·           名古屋大学附属図書館「研究紀要 全文―全国版―」 <http://www.nul.nagoya-u.ac.jp/db/kiyou/index.html> 全文がデジタル化されている大学紀要 281タイトルのリンク集です。

   ·           名古屋大学附属図書館「日本の大学の学位論文を探すサイト」 <http://www.gsid.nagoya-u.ac.jp/service/library/guide/dis.html> 学位論文のタイトル・要旨・全文等を公開しているサイトへのリンク集です。

   ·           DOCU-STACKS: Online Digital Texts Collections 1) Large Collections (1000 or over) <http://www.utm.edu/vlibrary/docust1.shtml> 欧米のデジタル化資料へのリンク集です。Alex Catalogue of Electronic TextsProject Gutenbergなどを収録しています。サーチエンジンであるGoogle Directoryの「Reference > Libraries > Digital <http://directory.google.com/Top/Reference/Libraries/Digital/>のリストからアクセスするのも一つの方法です。色々な方向からの探索を試してみましょう。

   ·           Librarians' Index to the Internet (The Library of California) <http://lii.org/> 例えば「collection」で検索すると、特殊コレクションの検索システムやフルテキストデータを提供するサイトが検索できます。

3)色々なサービス

 インターネット時代には、個々の図書館の地域性や主題性などの特性をいかした図書館サービスの集積がデジタルライブラリーとして機能していく方向にすすんでいます。

   ·           国会会議録 <http://kokkai.ndl.go.jp/> 立法府向けサービスを担う図書館として、国民向けの有用なサービスです。こうした館種を活かしたサービス提供は評価できます。

   ·           Digital Library Collection <http://digital.nypl.org/> New York Public Library による地域資料などのデジタル化資料のサービスである。2004年までに60万点のイメージデータがデジタル化され、所蔵されているコレクションのさらなるデジタル化が予定されています。

   ·           Asian Business, Arts and Media in Britain <http://www.bl.uk/services/information/abambind.html> 英国図書館による英国在住のアジア系ビジネス・起業家とアジア系コミュニティやアジア地域を対象としたビジネス・起業家に対する支援サービスです。多民族国家ではこうしたサービスも立ち上がっています。

4)デジタルライブラリー

 初期の電子図書館は、分野別のWebページのリンク集を提供するサイトでした。Yahoo!なども一般的に認知されている電子図書館的なサービスといえます。こうした有用なリンク集が数多く公開されています。

   ·           Best of the Web <http://www2.nypl.org/home/branch/links/> New York Public Library による有用なリンク集です。うまく調べることのできなかった人のため、リンク集の目立つ場所に「Ask Librarians Online」が用意されています。痒いところに手の届く顧客志向のサービスは、日本のWebページではみられない構成です。

   ·           テーマ別調べ方案内 <http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme.html> 国立国会図書館による紙媒体の参考資料の概要説明です。関連機関サイトの紹介では、人文総合情報室関連サイト集<http://www.ndl.go.jp/jp/service/tokyo/civilization/link.html>などのリンク集がありますが、それほど充実していません。インターネットによるアクセス手段には多様な要求があります。維持・管理する労力は大変ですが、先にあげた Dnavi などのサイト検索システムと厳選したリンク集など、両方のサービス提供を望みたい。

 初期のリンク集的な電子図書館と図書館のレファレンス機能などを満たして、電子資料の提供や調査支援を行う公共の電子図書館がInternet Public Libraryです。

   ·           Internet Public Library <http://www.ipl.org/> インターネット上の統合レファレンスサイト、レファレンス事例集<http://www.ipl.org/div/farq/>、レファレンス質問受付<http://www.ipl.org/div/askus/refformqrc.html>、分野別リンク集調査方法<http://www.ipl.org/div/subject/>、インターネット、雑誌論文、図書等の情報源を使った分野別調査方法を掲載した「Pathfinders」<http://www.ipl.org/div/pf/> など、インターネット上でトータルにレファレンスを支援するサイトです。

 

5)メタデータ、サブジェクトゲートウエイ

 メタデータによるインターネット上の学術情報を包括的に探索するサブジェクトゲートウエイが拡充しつつあります。図書館による電子資料の評価・選択による成果です。サブジェクトゲートウエイからは質の高い情報収集が期待できます。

   ·           Dnavi:国立国会図書館データベース・ナビゲーション・サービス <http://dnavi.ndl.go.jp/> 国内のウェブサイト上で公開されているDBを対象としています。キーワードによる検索もテーマ別にブラウジングすることもできます。平成14年11月の公開時点での収録数は約5,000件で、質量ともに充実している著名なインターネット上のDBの収録率は高いようです。

   ·           JuNiiJuNii[ジュニイ]:大学情報メタデータ・ポータル 試験提供版 <http://ju.nii.ac.jp/> 国内の各大学・研究機関等がインターネット上に発信する学術情報のポータルサイトを目指して、各大学等からのデータ登録によりデータベース構築がすすめられています。2003年6月25日現在、218機関が参加しています。内訳は、国立大学63、公立大学11、私立大学87、短期大学19、高等専門学校11、研究機関・公共図書館等27となっています。約60,000件のデータが蓄積されています。

   ·           インターネット学術情報インデックス <http://resource.lib.u-tokyo.ac.jp/iri/url_search.cgi> 東京大学情報基盤センターによって提供されています。2003年7月17日現在で、全世界からデータ総数 3,766件が厳選されています。

   ·           Pincakes:(Heriot-Watt University Edinburgh: Library)<http://www.hw.ac.uk/libwww/irn/pinakes/pinakes.html> サブジェクトゲートウエイへのリンク集です。INFOMINE: Scholarly Internet Resource Collections(Library of the University of California, Riverside) <http://infomine.ucr.edu/> など有用なサイトがリストされています。

   ·           E-TOPIA:教育系電子情報ナビゲーションシステム <http://library.u-gakugei.ac.jp/etopia/> 東京学芸大学附属図書館による、教育系Webページ全文検索、教育総合データベース(論文、教育資料、教育実践、Web情報を収録)、教育実践記録を探す教育実践DBが提供されています。主題に特化したシステムも有効に活用したい。

   ·           Academic Society HomeVillage <http://wwwsoc.nii.ac.jp/> 国立情報学研究所による学協会情報発信支援サービスで、日本の学協会のWebページが集まっています。対象を限定したナビゲーション・サイトも有用です。

6)情報活用支援

 図書館の使い方から、図書館における情報検索や論文の作成方法について、技術的な解説も作られています。

   ·           亜細亜大学附属図書館 <http://www.asia-u.ac.jp/lib/index.htm> 「図書館の達人への道」は、図書館の資料(本、雑誌、統計データなど)の探し方を解説しています。「図書館ツアービデオ」は、動画で図書館ツアービデオを視聴できます。「新入生のための図書館資料のさがし方(時間:47分15秒)」は、Real Playerによって示されるパワーポイントの資料をみながら図書館利用ガイダンスを聞くことができます。経営学部向けですが一般的な図書館利用にも活用できる内容です。

   ·           Directory of Online Resources for Information Literacy <http://www.lib.usf.edu/ref/doril/> University of South Florida, Tampa Library による情報リテラシーに関するリンク集です。各大学における情報リテラシー計画のリンク集、情報リテラシーに関する論文や講演へのリンク集などが包括的にまとめられています。特に「Information Literacy Process」では、情報リテラシーの各段階に分けて、いくつかの大学で公開されている資料へのリンクが提供されています。情報ニーズについて、情報の分類システム、情報へのアクセス、批判的思考、情報の評価、論文作法、引用法、発表法まで、すべてのプロセスが網羅されています。英語論文を書こうとする人にとっても、論文やレポートを書こうとしている一般の大学生、社会人にも大変に役立つ内容です。

 

おわりに  紙・電子・図書館・人

 自己責任を求められる社会では、公的機関による自己判断のための情報提供の基盤整備が必要となります。情報流通の社会的装置としての図書館の役割は拡大します。図書館における電子資料や人的支援を提供するための環境整備は立ち遅れていますが、拡充の方向に大きく転換するはずです。特に、公共図書館内におけるインターネットに接続した公開パソコンの設置、行政情報の公開、有料データベースの一般市民への無料提供など、図書館は社会のあらゆる年齢層の情報の需要を満たす方向に進んでいきます。

 図書館のサービスからすべての情報要求をまかなうことは当分できません。価値ある情報は有料です。有料サービスを使って自己防衛しなければならない場面には、個人で対応せざるをえないでしょう。インターネット上の電子資料は、自宅からでもインターネット環境があるところならどこでも全文を閲覧・印刷・保存できます。当面は、紙媒体で蓄積された図書館の数億冊の蔵書と、インターネット上の数十億の電子資料を組み合わせたハイブリッドな情報探索が必要です。

 インターネットによる情報活用を効率的におこなうために、図書館がWebページから提供しているサービスに習熟することが、社会で暮らしていくための最低限必要な生活技術となっています。インターネットによる情報活用能力を自己責任で習得してください。そのための支援を図書館は続けます。

 

4−7.事例集・問題集 (自習のための参考として)

(現時点では少々古くなっているものもあります)

例題1:実際に検索してみる

Q1:インターネットの歴史、インターネットの仕組み、インターネットの使い方について。

A1:インターネットのことはインターネットに聞くのが一番である。Yahoo!<http://www.yahoo.co.jp/>でカテゴリーとして存在するキーワードの「インターネット講座」で検索すると。「地域情報:日本の地方:近畿:大阪:教育:大学:大阪市立大学:イベント:インターネット講座」<http://search.yahoo.co.jp/bin/search?p=%A5%A4%A5%F3%A5%BF%A1%BC%A5%CD%A5%C3%A5%C8%B9%D6%BA%C2>がみつかる。「インターネット概論」学術情報センター:中野秀男教授<http://hosp.msic.med.osaka-cu.ac.jp/koho/vuniv97/lectnaka.htm>がよさそうである。

Q2:アメリカ民謡である「峠の我が家」の歌詞と曲を知りたい。

A2:Yahoo!<http://www.yahoo.co.jp/>でカテゴリーとして存在するキーワードの「歌詞」で検索。カテゴリーの「エンターテインメント:音楽:歌詞」<http://www.yahoo.co.jp/Entertainment/Music/Lyrics/>がある。「World Folk Song」<http://webclub.kcom.ne.jp/mb/folksong/index.html>でみつかる。2001年1月には<http://www.worldfolksong.com/>に引っ越している。

Q3:検索エンジンの守備範囲やポルノの割合に関する記事を探す。

A3:goo<http://goo.ne.jp/>を「検索エンジン 守備範囲 ポルノ 割合」で検索。「ZDNN: Webは氷山。ポルノは1.5%,検索エンジン守備範囲は16<http://www.zdnet.co.jp/news/9907/08/necri.html>がみつかる。CNET<http://japan.cnet.com/>かZDnet<http://www.zdnet.co.jp/>など

例題2:各県のインターネットの状況を調べる

 自分の好みの県について検索したり、その県のホームページの構成や発信情報の内容をチェックすることで、その県における情報政策を調査する。

Q1:県のネットワーク政策はどうなっているか?

Q2:県のネットワークの名称は?

Q3:県のページから、図書館へのリンクや図書館の案内へのリンクはあるか?

Q4:図書館に関する情報はどの程度まで公開されているか?

Q5:図書館のホームページはどうなっているか?

Q6:OPACはあるか?収録点数は?検索の手引きはわかりやすいか?

例題3:図書や雑誌の所蔵

 図書や雑誌の書誌事項や所蔵状況については、図書館のOPACが多数公開されているので、インターネットでの検索が効果を上げる。

1.図書「Cronin, Mary J.(ボストン大学図書館);黒川利明監訳. インターネット : ビジネス活用の最前線. インターナショナル・トムソン・パブリッシング・ジャパン, 1994.10」の所蔵館は?

2.雑誌「ASCII(アスキー出版)」1994年9月号の所蔵館は?

3.『インターネット検索の技とコツ』(宝島社, 1999)の所蔵館は?

4.図書「鈴木尚志. 検索エンジン徹底活用法:見たいページへ誰よりも速く. 日本経済新聞社, 1998.2.」の簡単な内容紹介を知りたい。

5.米国の新聞のNew York Timesの1945年を見たいが、東京周辺の図書館を紹介してほしい。

6.Thornton WilderのHeavens My Destination (1930年代)我が行く先は天国の翻訳はあるか。

7.「大草原の小さな家」の原書をみたい。

8.「アファール猿人」別名ルーシーの「直立歩行」について最近出た本は。

9.日本アイヒェンドルフ協会の雑誌は何という雑誌で、どうやって入手できるか。

10.『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録』CD-ROM版の値段を知りたい。

例題4:事項調査

 事項調査についてもインターネットは有効である。しかし、有料のデータベースや図書形態の参考図書を使った方が、短時間でより精密な検索をおこなうことができる場合も多い。

1.TLOとは何か?

2.エコプロジェクトの概要について知りたい。

3.Gショックの歴史や製品情報について知りたい。

4.英国図書館の日本語の概要はあるか。

5.演劇集団Dump type(ダムタイプ)とT.Furuhashi(古橋悌二)について知りたい。

6.インターネット入試を行っている大学のリストがほしい。

7.青い雨蛙について知りたい。

8.横浜市の高等学校の偏差値を知りたい。

9.DHCPとは。インターネット関連の用語らしい。

10.図書館関係のメーリングリストにはどのようなものがあり、どのような議論がされているのか。

11.「図書館の情報化の必要性とその推進方策について:地域の情報化推進拠点として(報告)平成10(1998)年10月27日 生涯学習審議会社会」<http://www.monbu.go.jp/singi/syogai/00000227/>をめぐる動きを知りたい。

例題5:特定サイトからの検索

 検索エンジンから検索を開始するのではなく、その情報を掲載していそうな特定のサイトを見つけだすことが早道である。こういった特定テーマに特化したサイトの情報を入手するためにメーリングリストに登録して、普段から情報収集に努める必要がある。

1.「江ノ島」の出てくる古典籍には何があるか。

2.「松浦宮」の出てくる古典籍には何があるか。

3.東京駅からの秋田新幹線「こまち」の始発時間は。角館駅までの所要時間とルートは。

4.京浜鶴見駅から東京駅までの所要時間とルートは。

5.本屋さんの丸善(株)の従業員数と業績を知りたい。

6.ソニー(株)の従業員数と業績を知りたい。

7.横浜市にある鶴見大学の地図、住所、電話番号を知りたい。

8.宮城大学の地図、住所、電話番号を知りたい。

9.1997年の消費者物価指数と数年間の傾向を知りたい。

10.平成10年の勤労者世帯の貯蓄現在高の1世帯平均を知りたい。

例題6:全文データの検索

 インターネット上には無料で公開されているフルテキストデータが多く存在する。省庁のホームページでは様々な報告や答申が公開されている。個人のホームページからは、ホームページを運営している本人が雑誌に発表した論文も公開されることが多くなっている。また、著作権の切れている古典文学作品をフルテキストする動きも盛んで、多くの作品のの公開も進んでいる。

1.「図書館員の倫理綱領」の全文を見たい。

2.「大学図書館における電子図書館的機能の充実・強化について(建議) 平成8年7月29日 学術審議会」を見たい。

3.「電子出版物の収集・保存・利用と納本制度/納本制度調査会電子出版物部会」を見たい。

4.「根本彰. 地域社会と公共図書館--地方分権の論理を超えて」をみたい。

5.「高度情報通信社会推進本部決定. 高度情報通信社会推進に向けた基本方針」をみたい。

6.地方分権推進委員会の勧告をみたい。

7.著作憲法の前文を見たい。特に電子資料の著作権について知りたい。

8.源氏物語の本文、雨月物語の本文、学問のすすめの本文をみたい。

9.平成11年の人事院の給与勧告の全文を見たい。

10.地方自治法(地方公務員法)第204条の全文を見たい。

例題7:海外の検索

Q1:Agenda(イギリスの雑誌)に載ったW.D.Snodgrassの詩"The Starry Night"についての論評の掲載号を知りたい。

A1:AitaVist +agenda +snodgrass +"Starry Night" Between the Lines - Philip Hoy http://www.pbk.co.uk/btl/hoy.htm    ==>The Internet Archive: Building an 'Internet Library'<http://www.archive.org/index.html>

Q2:17世紀後半に誕生した最初の雑誌、フランスのJournal des Scavans(5 Jan.1665)と英国のPhilosophical Transactions(6 Mar.1665)をの概要とその表紙をみたい。

A2:フランスのJournal des Scavans(5 Jan.1665)(創刊号の表紙の画像 <http://www.bnf.fr/web-bnf/pedagos/dossitsm/gc189-35.htm>[cited: 1998-11-28]、英国のPhilosophical Transactions(6 Mar.1665)(創刊号の表紙の画像 <http://www.bnf.fr/web-bnf/pedagos/dossitsm/gc189-36.htm>[cited: 1998-11-28]、Philosophical Transactions の全文データ(画像) <http://www.bodley.ox.ac.uk/ilej/>

Q3:Lindau man or Lindou man;リンドーマンに関して知りたい。

A3:インターネットではうまく発見できなかった。Lindauはドイツのボーデン湖畔の都市で、質問とは無関係。『ミイラ(ビジュアル博物館)』(同朋舎出版)にリンドウ人として写真と概要が掲載されており「1984年に英国チェシャー州リンドウモスの泥炭地で見つかった約2,300年前の死体。ピート・マーシュ(泥炭沼)というニックネームをつけられて有名になった」とある。

例題8:検索困難な事例

 以下の事例はインターネットでも、職場で所蔵する図書形態の参考資料からも発見できなかった質問である。

1.北緯40度40分、西経70度37分は陸か、海か。

2.小林やすのぶ編纂 東京切絵図 中島くまじろう出版 は全何枚か。

3.東と西の文学[東と西の文学の会] 7号 1987 瀬川裕司 救世主は如何にして緩慢に死ぬか--G・グラス「猫と鼠」試論--を取り寄せたい。

4.大阪遊技史学会の住所と電話番号を知りたい。

5.再来年の春分の日と秋分の日はいつか。

6.幕末の日本の大砲の絵を見たい。

7.1700年代の英国の女性の相続税の概要について知りたい。

8.WEGAの開発戦略などについて知りたい。

9.コンビニの商品仕入れの仕組みや、陳列方法について知りたい。